×

河村真木子さんの「当たり前を手放す勇気」。会社員から日本一のオンラインサロン運営者へ

オンラインからオフラインに広がる輪

会員3000人でスタートしたオンラインサロンは口コミで瞬く間に広がり、現在は会員1万人以上に。東京のみならず、日本全国の地方都市や北米やヨーロッパなどにも「同好会」という形で輪は広がっているそう。そしてオフラインで交流ができる場として、2022年11月に会員制のカフェをオープンする。

「会員制なので、食材は高くてもできる限り、オーガニックや無添加・無農薬に挑戦しています。添加物をとらないのは、幼い頃から母が実践していた河村家の方針なんです。子どもの頃は駄菓子屋のお菓子を食べられず、おやつはさつまいもや手作りクッキーばかりで嫌でしたが、不思議と子どもを持った時にまた食べたくなり、添加物が気持ち悪いと思うようになりました。そこは、カフェでもこだわりましたね」

カフェでは、渋谷区や港区などの地域の会、インターナショナルスクールに子どもが通うママの会、医師・歯科医師、クラシック音楽好きの会など、さまざまなメンバー同士の交流がリアルに行われているそう。そんな日本最大のオンラインサロンを作り出した、河村さんの原点とは?

「当たり前なんていらない」価値観を変えた留学

「留学の際は、経験者の本をたくさん読みました。何かを始める時は、必ず多くの本を読んでリサーチします」と河村さん

人生を振り返って、大きなターニングポイントとなったのはいつ?という問いに、「17歳の時。単身でアメリカの高校へ留学したこと」と即答した河村さん。

「もやもやしていた霧が、パーッとすべて晴れたのがアメリカ留学でした。違う世界があるということは、違う常識で走っている人たちがいるってことで。日本の常識がすべてではないなということも分かったし、いろんな常識を破ってチャレンジしていくのも怖くなくなりました」

昨年発売された自身の著書『超フレキシブル人生論 “当たり前”を手放せば人生はもっと豊かになる』(扶桑社)にも、河村さんの人生の中で、不要と思って手放してきた数々の“当たり前”がつづられている。

「最も必要ないと思う“当たり前”は風習かな。年賀状とか、名前の画数とか、お祝いの半返しとか。やらないと非常識とか言われちゃうんですけど、それはもう鬼スルーして(笑)。自分が意味ないと思うことは、誰に何と言われようと手放していきました。手放しても、たいしたことは起きなかったですね」

非合理的なことにこだわらないのも、河村さんのポリシーのひとつ。そして、もうひとつ大切にしていることがある。それは「意見が違っても人格を否定しない」ということ。

「この考え方は、欧米ではすごく一般的な考え方なんです。私の意見に『ノー!』とガンガン言ってくるので最初は感じ悪いと思っていたけど、違う意見を言うことが価値ある行動なんですよね。“建設的=違う意見を言うこと”だったんです。でも、それと人格とは別と考えなければいけないんです」

オンラインサロンでも、会員同士のルールとして「意見が違っても人格を否定しない」を設けている。“当たり前”であることを疑って、本音で発言する。河村さんが人生の中で大切にしてきたことは、次なる扉を開けるための原動力にほかならない。

photo: Tomoko Hagimoto text: Akiko Yoshida

【関連情報】世界最悪の地下鉄を変えたスゴい日本人、宇田川信学さんをご存じ?【NY通信】
【関連情報】FUKAMIちゃんがロンドンで暮らした3ヵ月間!プチ留学した成果をレポート!(前編)
【関連情報】ビリギャルのその後──ただいま、34歳でアメリカ名門大学院に留学中〔前〕

Profile

河村真木子

1976年、奈良県生まれ。高校3年生の春にロサンゼルスの高校へ転入を決意。帰国後、関西学院大学に入学するも自主退学し、UCバークレー校に進学。卒業後は米系投資銀行に就職。2度の転職を経て、2021年8月にオンラインサロン「Holland Village Private Salon」の運営者となる。

リンクを
コピーしました