長崎県の雲仙天草国立公園内、噴気や湯気が漂う雲仙温泉に位置する「界 雲仙」は、水蒸気などを含む白い煙を上げている噴気地帯“雲仙地獄”に面しているため、大地のエネルギーを身近に感じることができる温泉旅館。雲仙温泉は、日本が鎖国していた時代から海外諸国と歴史的なつながりがあるため、館内のしつらえには、さまざまな人や文化が行き交う中で発展してきた長崎文化が取り入れられている。
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雲仙温泉は、日本が鎖国していた時代に、出島にあるオランダ商館医のケンペルやシーボルトを通じて紹介されたことから、海外諸国と歴史的なつながりがある地。
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「界 雲仙」の全51室の客室には、和(日本)、華(中国)、蘭(オランダ)の要素が混ざり合った長崎独自の文化「和華蘭文化」が取り入れられている。
スタンドライトは、オランダから伝わった硝子(がらす)工芸品であるステンドグラスをモチーフにし、鮮やかな赤や青の色合いを、日本文化である和紙を使って表現。また、長崎の焼き物である「波佐見焼(はさみやき)」や、長崎の色彩豊かな土人形「古賀(こが)人形」も飾られている。



「界 雲仙」は、客室の滞在スペースの半分以上が露天風呂スペースになった、湯浴(ゆあ)みを中心に滞在できる客室「客室付き露天風呂」があるのも特徴。
客室内のリビングルームを取り払い、露天風呂とベッドルームの境界に「湯上がり処」を設けることで、入浴と休息に集中できるつくりに。外の景色に向かって置かれた湯上がりチェアがくつろぎの時間を演出し、目の前の雲仙地獄から湯けむりを感じることができる。

夕食は、半個室の食事処で、ご当地の食文化を生かした会席料理を提供。先付けは、和華蘭文化の一つであり、長崎発祥の宴会料理である卓袱(しっぽく)料理に欠かせない「豚角煮」をリエットにした一品。水の代わりに温泉水を使用して焼いた、雲仙温泉を代表するお菓子のひとつ「湯せんぺい」に、リエットを付けて味わう。

酢の物・八寸・お造りを一緒に盛り合わせた「宝楽盛り」には、卓袱料理の丸い円卓をイメージした鮮やかな朱色の器を使用している。

特別会席のメインの台の物には、上品な旨味を感じる“あご”出汁に牛肉をくぐらせ、出汁とともに味わう「あご出汁しゃぶしゃぶ」を用意。あごはトビウオのことで、正月の雑煮で使用されるなど、長崎県で親しみのある食材だ。
途中、出汁のアクセントとして、柚子の皮に醤油、砂糖、胡椒(九州では「トウガラシ」のことをコショウと呼ぶ)などを加えて煮込んだ調味料「ゆべし」を加えると、より一層楽しめる。鍋料理の締めには、残りの出汁に島原名産のうどんを入れ、あご出汁の最後の一滴まで堪能することができる。