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河村真木子さんの「当たり前を手放す勇気」。会社員から日本一のオンラインサロン運営者へ

人生100年時代と言われる昨今、働き方や家族のあり方、学び方など生き方そのものが多様に変化してきている。人生の転機をチャンスに変えた人たちは、次のステップをどう踏み出したのだろう?

そんな先人たちの話を聞く連載「ネクストステージ」。第1回は、コロナ禍で1万人以上の女性の心を惹きつけ、オンラインサロンを開いた河村真木子さんにフォーカス。

月1万円の会費で3000人が殺到!?

「会社を辞めること、とても怖かったですよ。外資系金融の中で、ある程度の立場でやらせてもらっていたので。それが全部なくなるなんて、自分の居場所がなくなるというか、社会からの信用もなくなるというか、自分ではなくなるという恐怖がありました」

そう語るのは20年近くにわたって外資系金融機関でキャリアを築き、“バリキャリ金融女子”と呼ばれている河村真木子さん。“バリキャリ”という言葉に少し違和感を覚えるほど、ソフトな口調とやさしい笑顔が印象的だ。

河村さんがオンラインサロン「Holland Village Private Salon(ホーランドヴィレッジプライベートサロン)」をスタートしたのが2021年。スタートと同時に、3000人もの会員が入会した。それから1年半たった現在、国内外で1万人以上のサロンメンバーを有する。月額1万円、かつ紹介制の仕組みにもかかわらず、多くの会員を魅了している。

「金融の仕事は、まだまだやるつもりでいたんです。オンラインサロンと同時並行で走らせるつもりで。でも、オープンしたら想像していた10倍もの会員の方が来てくれて。あわてて会社に電話しました、辞めさせてください!って(笑)」

インタビューに応じる河村真木子さん。会員限定のカフェ『Holland Village Private Café』にて

20代で描いた地図は“40歳でリタイア”

米国の大学を卒業し、外資系金融会社に入社した24歳の当時、河村さんはすでに40歳でリタイアを決めていた。それは、外資系金融という心身ともに負荷がかかるハードな労働環境も影響していたそう。

「ものすごい競争社会で、いつでも誰でもクビになる環境だったので。バイタリティーのある若いときしかできない仕事だから、みなさん40歳くらいで別の仕事に行くんです。なので、私も40歳ぐらいまでに、人生で次に何をしたいか決めないと、と漠然と考えていました」

最近になってようやく日本でも浸透してきた“副業”でさえも、外資系企業に勤める河村さんにとっては20年前から“普通”であった。いつか副業を始めて、それが波に乗ってきたら本業として始めたい、とぼんやり考えていたという。ところがその後、結婚・出産・離婚・転職と、人生の大きな波を乗り越えていくことになる。

Profile

河村真木子

1976年、奈良県生まれ。高校3年生の春にロサンゼルスの高校へ転入を決意。帰国後、関西学院大学に入学するも自主退学し、UCバークレー校に進学。卒業後は米系投資銀行に就職。2度の転職を経て、2021年8月にオンラインサロン「Holland Village Private Salon」の運営者となる。

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