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人が不安やストレスを抱いた時の脳の反応は?

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恐れ、喜び、悲しみといった、私たちの感情や気分への影響は、脳の特定の部分によって自然に調整されている。しかし、不安やストレスに敏感な人は、脳のある部分が十分に活用されず、別の効率の悪い部分が優先して使用される。不安を抱いた時の脳の反応について、マリ・クレール インターナショナルのフランス版デジタル記事をお届け。

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Nishitokyo City, Japan

世界保健機関(WHO)によると、新型コロナウイルスのパンデミックにおいて、女性のメンタルヘルスは男性よりも深刻な影響を受けたとされている。また、フランス国立保健医学研究所(INSERM)によれば、女性は男性に比べて、不安障害に掛かる可能性が最大で2倍もあると報告されている。

さらに新しい研究によると、不安を抱えている人々の場合、脳が感情を通常とは異なる方法で制御し、それがうまくいっていない可能性があることが明らかになった。ストレスを感じているかどうかに応じて、脳の活動に違いが出るということだ。この研究の結果は、2023年8月12日に「Nature Communications」誌(※編集部注:インターネット上で公開され無料で閲覧できる自然科学全般を扱う学術誌)に発表された。

決定と感情:ストレスは同じ脳の領域を活性化させない

この結果を得るために、研究者たちは、被験者にコンピューターを使ってある課題を行うよう依頼した。被験者は怒っている顔の写真に近づき、幸せな顔の写真を避けるようにし、その逆も同様に行った。その間、研究者たちは被験者の脳の活動を記録した。この実験の目的は、「ネガティブな状況を自動的に避ける傾向を、脳がどのように制御するか」を理解することであると研究チームは説明をしている。

不安やストレスを抱える人々は、通常、そうでない人よりも感情を調整するのが難しいことが多いが、不安障害を持つ人々も、最終的にはコンピューターの課題を他の人と同じようにうまくこなすことができた。

しかし、研究者チームは、「社交に不安のある人々は、意思決定を行う際に、前頭葉の他の人たちとは異なる部分を使用していることに気付きました」と研究報告のプレスリリースに詳しく記載している。

具体的には、「不安のある人々は、前頭葉のあまり適切でない部分を使用して感情を制御しています。そのため、別の行動を選ぶことが不安のある人々にとってより難しく、そのため彼らは社交的な状況を避けることが多くなる傾向があります」と、新しい研究の第一著者であるBob Bramsonが説明する。

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