スイスの高級時計メゾン、ヴァシュロン・コンスタンタンが1月中旬、「One of Not Many(少数精鋭の一員)」キャンペーンの想いを伝えるプレスイベントを北海道で開催した。これに合わせて昨秋よりキャンペーンの一員となった芸術家のザリア・フォーマンが来日。ラグジュアリーなウィンターリゾートとして国際的な注目を集めるニセコエリアを中心に、日本を始め、シンガポールや香港、台湾、そして韓国から集まったプレスらとフォーマンの貴重なアートピースやユニークなアクティビティーを通して、メゾンの大切にする"One of Not Many"な価値観や美意識を共有した。
[INDEX]
ニューヨークを拠点に活動するフォーマンは今、最も注目されるアーティストの一人と言ってもいいだろう。アイスランドの氷山や南極大陸の氷床、そしてモルディブの海岸線……。秘境の地で変わりつつある自然を、そのまま切り取ってきたかのようにパステルで繊細に表現する。アーティストとしてアクティブな顔も持つ彼女の創作が現存する最古の時計メゾンとして知られるヴァシュロン・コンスタンタンのクリエイションと共振し、メゾンが2018年から展開する「One of Not Many」キャンペーンに昨秋加わった。
白から黒へ、無彩色のグラデーションで成り立っていると思った作品に近づいて眼を凝らすと、細部に虹のように多彩な色が施されている。そうすることで、マットな画材を使いながら、描かれた氷塊が輝き始める。それにしても完成までに、どれほどの時間を要するのだろう? 「大体200から300時間くらいかしら」と彼女が教えてくれた。そこまで聞いて、フォーマンが「One of Not Many」の一員に加わった理由がわかるような気がした。
米国人芸術家。世界でも有数の遠隔の地をベースとし、荘厳で巨大な作品を通して、変わりゆく風景が及ぼす影響を表現。献身的で妥協を許さない彼女は、2023年9月に“One of Not Many”キャンペーンの新しい顔となり、同キャンペーンの一員である写真家で探検家のコーリー・リチャーズと共にメゾンの旅の精神を表現する「オーヴァーシーズ」コレクションを体現する。