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「孤独」はなぜ私たちを疲れさせるのか?

「孤独」を感じることは、多くの人にとってネガティブな感情を呼び起こす状態を意味する。コロナ禍で外出の機会はもちろん、日常生活の様子は一変し、同僚や友人に会って、直接、会話を交わす機会も減ってしまった。コロナ(COVID-19)の明確な治療法が確立されてはいない中、以前のような日常が戻りつつある今だからこそ、「孤独」が私たちの体や心に及ぼす影響について、改めて考えてみることが必要だ。「孤独」と私たちの関係について、マリ・クレール インターナショナルのフランス版デジタル記事よりお届け。

ある人にとっては恐ろしく、また別の誰かにとってはリラックスできる孤独は、身体に驚くべき影響を与える。ウィーン大学(オーストリア)が実施した新しい研究により、孤独を長期的に経験すると、人が感じる疲労レベルが上昇することが示された。

Ifop(フランスの市場調査やマーケティングを研究する機関)がジャン・ジョレス財団(フランスの社会党系シンクタンク)と共同で行った調査によると、2021年にはフランス人の10人中4人が、COVID-19の大流行以来、より疲れを感じるようになったという。燃え尽き症候群、慢性疲労、不眠症、精神的過負荷……など。疲労の原因は数多くあり、時には自覚されていないことさえある。

実際、ウィーン大学の研究者による新しい研究では、孤独も顕著な疲労の原因のひとつである可能性があるとされている。

社会性の低さとエネルギーレベルの低さとの関連性

米国の科学雑誌『サイコロジカル・サイエンス』に掲載されたこの研究は、8時間以上連続して社会的に孤立している人は、より高いレベルの疲労を報告する傾向があることを明らかにした。これは、エネルギー不足と社会や他者との関わり合い不足の関連を示唆している。

フランス財団(フランス初の慈善活動ネットワーク)が実施し、2023年1月に発表された調査によると、「孤独感は依然として高く、フランスでは1100万人、つまり15歳以上の人口の20%が影響を受けている」という。この数字は、とりわけテレワークに伴う人との接触の減少によって悪化している。

飢餓に匹敵する疲労と渇望

ウィーン大学の研究者たちは、社会的接触の欠如が、飢餓に匹敵する渇望反応を脳内で引き起こすことも発見した。

「どちらの状態も、エネルギーの低下と疲労の増加を引き起こしますが、食べ物の欠乏が文字通りエネルギーを失わせるのに対し、社会的孤立は直接、肉体的なエネルギー不足を起こすものではないことを考えると、これは驚くべきことです」と、研究論文著者のAna StijovicとPaul Forbesは書いている。

つまり、一人ひとりにとって食べ物が必要不可欠であるように、私たちが生きていくためには他人が必要なのだ、と彼らは説明する。

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