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コロナと円安が日本のファッション業界にもたらすもの

八芳園で開かれた「モンブラン」と「NARUTO」のコラボ製品の発表会

マリ・クレール編集長、田居克人が月に1回、読者にお届けするメッセージ。新型コロナ感染症の感染拡大防止のための規制が緩和され、海外から日本を訪れる人も増えてきました。ファッション業界でも趣向をこらした企画やイベントが次々実施されるようになった一方、為替相場の動向や第8波と言われる感染拡大の兆候も気になるところで──。この秋のファッション業界をめぐるさまざまな動きを振り返ります。

欧米のリアルなコレクションショーが復活

10月に入り、コロナ禍への水際対策、海外との往来の規制が緩和されたため、海外から多くの方たちが来日しています。銀座を歩いていても、地下鉄に乗っても、外国人の数が大幅に増えたと感じます。いろいろな国の調査では行きたい国 No.1に日本を挙げる人が多く、また記録的な円安により、これからは堰を切ったように訪日客が増えるのではないでしょうか。

ファッション業界も例外ではありません。

9月から10月にかけて2023年春夏コレクションがミラノやパリで開催され、ほとんど以前の状況に戻ったといってもいいでしょう。リアルなコレクションショーが戻ったということです。

サステナブルやダイバーシティ、またどんな身体でも肯定的にとらえるボディポジティブの動きもさらに強くなり、クリエーションはその要素なしには語れない時代に入ったといえるでしょう。

しかし残念ながら日本からの取材陣はまだ少なく、私もON LINEでの参加でした。コロナのとらえ方がヨーロッパやアメリカと日本はだいぶ違うので、このような状況になっているのだと思います。このままだと将来的にコレクションでの日本人の席が減らされるのではないかと心配にもなるのですが。

ラグジュアリーブランドの大きな市場である中国は、ご存じのようにコロナに対する対策が厳しく、中国からの取材陣はほとんどいないという状況だったそうです。中国経済も以前のように好調というわけではないので、そのせいもあるのかもしれません。

そんなことも影響しているのでしょうか、日本国内での大きなイベントが相次いで開催されています。また日本のアーティストとラグジュアリーブランドとのコラボ企画も発表されています。

10月11日の夜には白金台の八芳園で、筆記具とレザーグッズのラグジュアリーブランド「モンブラン」と日本の漫画・アニメシリーズ「NARUTO」とのコラボレーション製品の発表会がありました。「NARUTO」のキャラクターのイラストに加え、書道スタイルのシンボル、筆のはけ筋と墨の滴を連想させるオレンジのデザインが印象的な商品です。

マイスターシュテュック セレクション NARUTO トート
マイスターシュテュックル・グラン NARUTO 万年筆

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