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美しい刺繍やレースが織り成す幻想的な世界。ディオール春夏 2023 ウィメンズ コレクション

2022年9月27日(火)、「ディオール」の春夏 2023 ウィメンズ コレクションが発表された。アーティストのエヴァ・ジョスパンが手掛けたバロック様式の神秘的なセットに、繊細な刺繍(ししゅう)やレースで彩られたルックが多数登場。ウィメンズ クリエイティブ ディレクターのマリア・グラツィア・キウリのインスピレーションに満ちた最新のクリエイションに魅了されて。

“パリの地図”が着想源に

「ディオール」の春夏 2023 ウィメンズ コレクションで、マリア・グラツィア・キウリが着目したのは、メゾンのアーカイブ(1950年代初頭に製作されたディオールのスカーフ)に描かれた“パリの地図”。さらにテーマを追求し、フランス国王の妃となったカトリーヌ・ド・メディシスの望みで造られたチュイルリー公園へとたどり着いた。1533年にフランス王室の一員となったイタリア人貴族、カトリーヌ・ド・メディシスは、女性と権力の関わりを象徴する人物。彼女の政治的な知性はもちろんのこと、王室にもたらしたファッションにも、マリア・グラツィア・キウリは心をつかまれたという。

チュイルリー公園に設けられたショーの特設会場の装飾を担当したのは、アーティストのエヴァ・ジョスパン。バロック様式の洞窟を再現した幻想的な空間演出のなかで、オランダ人振付家兼ダンサーのイムレ・ファン・オプスタルとマーン・ファン・オプスタルによるダンスとともにショーがスタート。人間の状態、身体と心の限界と可能性を多層的に探求したという官能的なコンテンポラリーダンスは、コレクションと見事に調和し、今回のショーのハイライトとなった。

豊かなイマジネーションと卓越したサヴォワールフェールの融合

毎シーズン、独創的なイマジネーションへの扉を開いてきたマリア・グラツィア・キウリ。今回は、芸術としてのファッションへオマージュを捧げ、メゾンが誇るサヴォワールフェール(職人技)によって、貴族の衣装を現代的に再構築している。

当時のファッションに大きな影響を与えたカトリーヌ・ド・メディシスが、フランス王室御用達の職人たちに依頼したというハイヒール、コルセット、ブラーノレースなどは、今回のコレクションにおいても重要なモチーフとして登場。

コルセットは、隠されたり露出されたりすることで、王宮で着用されていたようなワイドスカートを想起させるシルエットを描き出している。

“パリの地図”のパターンがあしらわれたドレスや、クリノリンドレス、ブラーノレースからインスピレーションを受けた繊細な刺繍も印象的。職人の緻密な手作業によってコレクションピースを仕上げていく過程が、パリのアトリエの制作風景にも映し出されている。

フローラルプリントのドレスには、フランス・リヨンで長い歴史を誇る老舗絹織物メゾン、タシナリ エ シャテル バイ ルリエーヴル パリのアーカイブから生まれた2種類のパターンを採用。繊細なフラワーモチーフが特徴の「Brocade Sown with Flowers」と、1860年から1890年にかけてフランスで発展したジャポニズムにインスピレーションを受け、鳥やチョウなどのモチーフをあしらった「Bird of Paradise Brocade」のパターンは、いずれも詩的でロマンティックなムードを漂わせている。

パリの街を出発点に紡がれたストーリーと「ディオール」の豊かなクリエイティビティが表現された最新コレクションの世界を堪能して。

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