×

コロナと円安が日本のファッション業界にもたらすもの

日本市場で好調なハイジュエリー

またその2日後の夜にはラグジュアリーウォッチブランド「タグ・ホイヤー」が任天堂株式会社の「マリオカート」とコラボレーションした新作商品発表イベントが、東品川の寺田倉庫で開催されました。商品名は「タグ・ホイヤー フォーミュラ1× マリオカート リミテッドエディション」。クロノグラフとトゥールビヨンの2モデル。前回のコラボでは限定2,000本があっという間に売り切れたそうですから、今回もそうなりそうな予感がします。

タグ・ホイヤー フォーミュラ1 × マリオカート リミテッドエディション
(左)クロノグラフ(右)トゥールビヨン Nintendo

ジュエリー業界も、日本市場での好調をバックに「ブシュロン」「カルティエ」「ポメラート」「ヴァン クリーフ&アーペル」「ショパール」といったブランドが新商品の発表会を、会場を吟味し、日本で大々的に開催しています。

ラグジュアリーブランドの代表的なメゾンである「シャネル」は、弊誌でも紹介していますが、通称“時計通り”と呼ばれる「銀座・並木通り」にハイジュエリーと時計の専門店を10月14日にオープンしました。もちろん店のデザインは世界の他の店と同様、ピーター・マリノです。

ファッションメゾンの手がける宝飾品は、以前はコスチューム・ジュエリーとよばれていましたが、「シャネル」「ディオール」「エルメス」といったブランドが手がける宝飾品は、そのクオリティ、石の素晴らしさ、デザイン性でハイジュエリーと呼ばれ、メゾンの伝統や職人技を感じさせるものなので、高価格にもかかわらず売れ行きも好調だそうです。

さて、景気のいいニュースを多くお伝えしましたが、コロナ禍前のような状況に、日本は本当に戻るのでしょうか? 百貨店の客足も増え、またラグジュアリーブランドの売り上げも好調というと、以前のインバウンド景気を期待する向きもありますが、インバウンドの中心をなしていた中国からの観光客数がどうなるか不透明ですし、現在の円安の状況では、最も重要な日本の消費者には購買力という点では厳しい気がします。

ファッション産業が、いかに社会、経済の動きと結びついているかを知る機会なのかもしれません。

2022年11月24日

【関連記事】「シャネル」が、日本初のウォッチ&ジュエリー旗艦店をオープン
【関連記事】銀座に宝飾品店が軒を連ねるようになったわけ

リンクを
コピーしました