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お金を増やすために新NISAとiDeCoをどう使う?

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これまでもNISA(小額投資非課税制度)は初心者が取り組みやすい資産形成のための制度として、広く知られてきた。2024年に新たな規定が適用され、「新NISA」となることを踏まえて、改めてNISAという制度について学んでみたい。またNISAと併せて説明されることの多い、iDeCoについても、その制度や特徴、活用の仕方をおさらいしてみたい。 個人がそれぞれ自分に在った資産形成を考える必要がある中で、基本を理解し、無理のない活用をすることが大切なのだ。

iDeCoとNISA、それぞれどんな制度なのか?

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―個人でお金を増やすために、iDeCoやNISAがあることは知っていますが、それぞれどのようなものなのでしょうか?

まず、iDeCoやNISAは金融商品ではありません。投資をする際に資産形成を有利に行えるよう、国が準備した税制優遇制度です。お金を増やすために、この制度を使い資産形成を有利に進めてほしいと思います。2024年1月からスタートする新NISAでは、非課税期間(税制優遇期間)が無期限になり、投資できる枠も大幅に増えます。

株式投資をスタートして、株主すなわち企業のオーナーになってください。言い方を変えると、労働者から資本家への転換を少しずつでもスタートしてください。株主(会社のオーナー)になると、そこの従業員が懸命に働いてくれた会社の利益が持ち株の分だけあなたのモノになります。配当金に加え株価の上昇が株主の利益となるのです。

その株式投資をする際にNISAとiDeCoを利用すると税制優遇があり、投資による資産形成が更に有利になります。資産形成を有利に行うため国が用意したシステムなので安心して利用してください。

iDeCoは毎月掛け金を積み立てるのが一般的です。毎月の掛け金には手数料が発生しますが、投資金額分を課税所得から控除できるので、税金が安くなるメリットもあり、老後資金の確保にとても有利です。60歳まで解約できないのでご注意ください。

NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」がありますが、投資初心者の方には「つみたてNISA」をおすすめしています。NISAは資産形成、及び買い物から教育資金まで、将来必要となる資金の準備にも向いています。投資した資金の利益が非課税になります。(現在のNISAは最長20年非課税)

余裕のある方はiDeCo、 NISAの両方を利用して毎月積み立てで資産形成を行うことをおすすめしたいと思います。

―2024年に変わる新NISAですが、どのような点が変わるのでしょうか?

新NISAはパワーアップされ利用しやすくなります。これまでは「つみたてNISA」と「一般NISA」の2種類がありました。投資枠は、「つみたてNISA」が年40万円、「一般NISA」が年120万円で、同じ年に二つを併用できず、どちらかを選択する必要がありました。

新NISAは二つの制度が一本化され、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」になり、二つの投資枠の併用も可能で、年360万円まで投資できるようになります。ただし、生涯で利用できる投資枠は1800万円となります。「つみたて投資枠」としての利用は、年120万円になっておりますので、例えば毎月10万円を積み立てると15年間で満額になります。ここで投資をした利益は生涯非課税になりますので資産形成にとても有利となります。

詳細は証券会社のHPで詳しく説明されています。スタートする際に証券口座開設が必要になりますので、大手ネット証券のHPで新NISAやiDeCoの説明をご確認ください。

前回のコラムでも投資初心者の方にはつみたてNISAをオススメしましたが、毎月3万3000円(年間40万円)から毎月10万円(年間120万円)まで投資できる枠が増えるのです。税制優遇を受けられる投資枠が増えるということになります。

お金を増やすために、まず知っておきたいこと

Profile

大槻博史

1969年生まれ。同志社大学商学部卒、JAIMS(日米経営科学研究所)マネジメントプログラム、UCバークレーExtension ITビジネス、ファイナンス修了。


金融機関勤務を経て、2005年よりHIRO International Consultingとしてアセットマネジメント業務に従事し主に投資助言業務を行う。


事業再生、マーケティング、ファイナンス業務に精通し、各企業へのコンサルティングを行っている。個人ではS&P500連動の投資商品への積み立て投資を中心に資産形成を行っている。

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