ここがすごいよ、ニューヨークの美術館。「子ども大歓迎!」「入館料は自由」「アートが近い!」【NY通信】
2023.3.21
2023.3.21
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たとえばアメリカンアート、コンテンポラリーアートに特化している「ホイットニー美術館」。ウッディ・アレンの映画『マンハッタン』で映し出される「ホイットニー美術館」の雰囲気からはずいぶんと変わり、2015年に広々とした新しい建築になりました。
先日まで開催されていた『エドワード・ホッパー展』では 入館時に子ども用のガイドを配布。冊子には子どもにもわかりやすくアーティストと代表的な作品の説明が掲載され、スケッチなどのための余白ページが。合間にベンチに座りながらゆっくり作品を鑑賞し、冊子に絵を描いている子どももたくさん見られました。
「ポスターハウス(Poster House)」は、2019年にオープンしたアメリカでは初となるポスターを扱う小さなミュージアムです。小さいながらも落ち着く空間のなかに広々としたカフェもあります。
戦時中のプロパガンダポスターなど、歴史に影響を与えた興味深いポスターなども、展示されています。子ども用の冊子が用意されているだけでなく、子ども専用のスペースがあり、壁に色塗りをしたり、絵本を読んでゆっくり時間を過ごしたり、幼い子どもにもポスターに親しむ機会を与えてくれます。また小さい子どものいる家族や、学生向けのツアーやワークショップを無料で提供してくれています。
「ニューヨーク近代美術館(通称:MoMA)」は、19世紀以降の15万点もの作品を収蔵したとても人気の美術館です。ヨーロッパモダンの巨匠、ゴッホ、セザンヌ、ピカソ、マチスや、アメリカンアートのアンディ・ウォーホール、バスキアの作品もあり、週末や入場無料の日は特に混雑しています。 ここでも子どものいる家族向けに「Family Gallery Talks」というプログラムを無料で提供しています。「Family Gallery talks」では、代表的な作品の前で説明を聞き、ディスカッション、作品に関する簡単なワークショップがあったりして、楽しく理解を深めていきます。
また、入場すれば無料で利用できるアートラボでは、ワイヤーオブジェを作ったり、絵文字をデザインしたり、ライトボックスで遊んだり手を動かしながら遊び、年齢に関係なくアートへの親しみを持つことができます。
大人のための講義やワークショップ、イベントを開いている美術館もたくさんありますが、「ブルックリン美術館」では一風変わったイベントを開催しています。「ブルックリン美術館」は「メトロポリタン美術館」に次いでニューヨークで2番目に大きい美術館です。
ヨーロッパ アジア、アフリカの絵画や彫刻に加え、エドガー・ドガ、エドワード・ホッパー、ノーマン・ロックウェルなどの巨匠の作品も展示している人気の美術館です。新型コロナ拡大時は見合わせていた「ナイトミュージアム」が再開。お酒を飲みながら、ローカルの音楽やダンス、ムービーをどっぷり夜の11時まで楽しめるという、なんとも変わった大人のお祭りイベントです。
ここで挙げたのは一部ですが、いろんなニューヨークの美術館は、人々がもっと気軽に足を運べるよう、アートに親しめるよう、幅広い年齢層にさまざまな工夫を用意してくれています。芸術に触れる機会がなかった人にも、パブリックスペースの雰囲気でウェルカム!と呼んでくれているようです。
ニューヨークに滞在の際は意気込まず、でも節度は守り、芸術を堪能するのはいかがでしょうか?
text&illustration: Maiko Sembokuya edit: Akiko Yoshida
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Maiko Sembokuya
センボクヤマイコ、イラストレーター。千葉県生まれ。テンプル大学 タイラースクールにて絵画科を専攻。手描きにこだわり、手描きをベースに制作。美容、ヘルス、食、音楽など、国内外の雑誌や広告等でイラストを手がける。www.maikosembokuya.com
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