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『鎌倉殿の13人』源実朝役の柿澤勇人。劇団四季の名作がサッカー少年の運命を変えた

実朝から和歌を渡され、返歌を求められた北条泰時(坂口健太郎・右)。そもそも和歌の素養のない泰時は困惑し、渡されたのが恋心を詠んだものだと知ってさらに動揺する ©NHK

次々と主要な役を射止め、注目の的に

2007年に劇団四季に入った柿澤は、わずか1年半後に『ライオンキング』のシンバ役を射止め、その翌年には新作ミュージカル『春のめざめ』の主役に抜擢された。思春期の生と性をテーマとし、鬼才マイケル・メイヤーの演出でブロードウェイにて上演されトニー賞8部門を受賞した本作の日本版で、主人公・メルヒオールを演じた柿澤は、次代のスターが現れたと一躍注目の的となる。

09年末に劇団四季を退団した柿澤は、その後『スリル・ミー』(11年〜)、『デスノート The Musical』(15年、17年)、『フランケンシュタイン』(17年、20年)など数々の大作に出演し、ミュージカル界のトップスターの一角を担うようになる。

その一方で、村上春樹原作・蜷川幸雄演出の『海辺のカフカ』(12年、14年、15年)、吉田鋼太郎演出のシェイクスピア作品『アテネのタイモン』(17年)、『鎌倉殿の13人』を書く三谷幸喜の作・演出による『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』(19年)、そして英国の劇作家アントニー・シェーファーの最高傑作といわれる戯曲で、演出も兼ねる吉田鋼太郎との2人芝居『スルース~探偵~』(21年)など、ストレートプレイでも確かな演技力を示してきた。

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