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『鎌倉殿の13人』源実朝役の柿澤勇人。劇団四季の名作がサッカー少年の運命を変えた

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若くして将軍になった実朝は、幕府内で自分の意見を通すこともかなわない。そのなかで唯一、友人のように接してくれる侍所別当の和田義盛(横田栄司・右)の存在が、実朝の心のよりどころとなっていく ©NHK

きっかけは高校1年の課外授業

柿澤が俳優としてのキャリアをスタートさせたのは劇団四季である。サッカー少年だった彼が、高校1年の時に課外授業で観た劇団四季のミュージカル『ライオンキング』に衝撃を受けたのがきっかけだった。

しかし、舞台芸術に惹かれたのは運命だったのかもしれない。彼はもともと芸を極めた名手のDNAを受け継いでいるからである。

曽祖父は当時邦楽界を代表する清元節太夫であった清元志壽太夫。祖父は清元節三味線方の第一人者で、歌舞伎公演では立三味線(首席奏者)を勤めた清元榮三郎。いずれも人間国宝で日本芸術院会員である。

筆者は10余年前にある著名な古典芸能の演者から「あの清元志壽太夫と清元榮三郎の血を引く人がミュージカル俳優として活躍しているそうだ。舞台を観てみたい」と、興奮気味に語られたことがあった。その人こそが、柿澤勇人である。

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