『鎌倉殿の13人』で躍動。三谷幸喜とミュージカルスターの浅からぬ縁
2022.8.6
現在放映中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、主人公・北条義時(小栗旬)の父・時政役の坂東彌十郎をはじめ、片岡愛之助、中村獅童、市川猿之助、尾上松也、市川染五郎と、歌舞伎俳優が多数出演していることはさまざまなメディアで取り上げられている。だが、もうひとつ、ある分野において華々しいキャリアをもつ俳優の数も"一大勢力"となっていることにお気づきだろうか。その分野とは、ミュージカルである。
2022.8.6
現在放映中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、主人公・北条義時(小栗旬)の父・時政役の坂東彌十郎をはじめ、片岡愛之助、中村獅童、市川猿之助、尾上松也、市川染五郎と、歌舞伎俳優が多数出演していることはさまざまなメディアで取り上げられている。だが、もうひとつ、ある分野において華々しいキャリアをもつ俳優の数も"一大勢力"となっていることにお気づきだろうか。その分野とは、ミュージカルである。
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鎌倉幕府を開いた源頼朝のもとで政治のすべてを学び、第2代執権として実権を握ることになる北条義時を軸に、御家人たちの権力闘争を描く『鎌倉殿の13人』。ドラマは折り返し地点を過ぎ、いまは頼朝亡き後、御家人同士の対立が激化し、毎回誰かしらが謀殺されるという緊迫した展開が繰り広げられているところだ。
しかし、脚本の三谷幸喜は、本来なら重々しく深刻になってしまうストーリーに現代風のセリフ回しやコミカルな場面をはさみ込み、絶妙な匙加減で物語に味わいを持たせている。加えて、そんなシーンを演じる役者たちのなかにテレビでなく舞台を主戦場とする面々が多いことも、通常のドラマとは違う面白さを生み出している大きな要因と言えるだろう。なかでも特筆すべきはミュージカルのスターたちの存在だ。
まず、北条家に激しいライバル心を燃やす比企能員の妻・道を演じる堀内敬子と、朝廷の文官出身で宿老13人のひとりとなる知性派・大江広元役の栗原秀雄。ふたりとも劇団四季でキャリアをスタートし、退団後も数々のミュージカルに出演している。
頼朝の乳母である比企尼(ひきのあま)を演じる草笛光子は、かつて宝塚歌劇団と並び称された松竹歌劇団(SKD)に1950年に入団、長年ミュージカルをはじめ幅広いジャンルの大作に出演し名女優の地位を確立した。
香月友里
かづき ゆり。フリーライター。出版社の編集者を経てライターに。同居する5匹の犬猫たちにお仕えしながら、映画とドラマと演劇とJ-POPにどっぷり浸る日々を送る
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