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『持続可能な恋ですか?』の磯村勇斗。幅広い役柄を演じ分け、1年で17作に出演!

4月スタートのテレビドラマでとくに注目すべきイケメンを、この機会にチェックしたい過去の出演作含めてご紹介します。今回スポットを当てるのは本日4月19日スタート『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』(毎週火曜・夜10時放送・TBS系)に出演する磯村勇斗(いそむらはやと)さんです

父と娘が揃って婚活

この春、「現代の結婚観」をテーマにしたドラマが始まる。誰かと共に生きる意味を模索する娘と、第二の人生に希望を託す父の奮闘を描く、『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』だ。

沢田杏花(上野樹里)は、ヨガインストラクターとして独立したい願望はあっても結婚願望は薄い。というのも、母が他界したことで生活が荒れた父・林太郎(松重豊)を見かねて同居するようになって2年、日常生活能力ゼロの父の世話に忙殺される毎日を送るうちに「結婚って何?」と疑問を募らせていたからだ。

一方、辞書編纂者で細かい性格の林太郎にしてみれば、何事にも雑な娘の一挙一動が気に障ってしかたがない。そんなふうだから口ゲンカが絶えないふたりだったが、ある日 “人生最大のショック”に遭遇した林太郎が一念発起、なぜか娘も誘ってダブル婚活を始めることに。そうして波乱の恋物語が幕を開ける——。

杏花との恋の進展が気になる存在はふたり。ひとりは起業セミナーで出会ったシングルファーザーの東村晴太(田中圭)。そしてもうひとりが、磯村勇斗クン演じる不破颯である。晴太の息子が通う民間英語学童保育の指導員で、18年ぶりに再会した初恋の人・杏花に再び惹かれる、明るく人懐っこい青年だ。

『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』4月19日より毎週火曜夜10時~TBS系で放送スタート

どんな役でも「ハマリ役」にしてしまう表現力

ここ数年の磯村クンの活躍はめざましい。21年だけでもドラマと映画を合わせて計17作品に出演。今年も公開を待つ作品が目白押しである。

彼をひと言で表現するとき、 “カメレオン俳優”というワードが使われることが多い。とにかく演技の振り幅が広く、しかもどんな役でも「これがハマり役に違いない」と思わせてしまう。

今年受賞した第45回日本アカデミー賞新人俳優賞の対象となった2作も、劇場版 『きのう何食べた?』ではワガママと毒舌で周囲を振り回すゲイ青年、『ヤクザと家族 The Family』では半グレのリーダーと、かけ離れた人物を見事に演じ分けた。

なかでも特筆したいのは、『ヤクザと家族 The Family』で磯村クンが見せた表現力の深みである。不運な生い立ちで外れ者になるしかなかった天涯孤独の男・賢治(綾野剛)が、偶然窮地を救った暴力団組長の柴咲(舘ひろし)と親子の盃を交わしたことから始まる本作。その後の20年にわたる2人の絆を描くのだが、磯村クンは賢治が母親のように慕う食堂の女将・愛子(寺島しのぶ)の息子であり、自身も幼い頃から賢治に強いシンパシーを抱いている青年・翼に扮している。

荒れた少年期に地元の親分・柴崎(舘ひろし・写真左)から手を差し伸べられ、山本(綾野剛・写真右)は父子の契りを結ぶ

地元を支配する暴力団とも伍して戦うほどの力を持ち、夜の街を仕切る半グレのリーダーである翼を、単なる凶暴な男としてではなく、宿命によって社会の外側に弾き出された人間の哀しみを背負った人物として構築した。磯村クンの表現力が、本作を単なるヤクザ映画にとどまらない作品に昇華させたといっても過言ではない。

長く執念を燃やし続けた “復讐”を果たすべく、ある場所に向かう翼(磯村勇斗・写真中央)。しかし、そこでは思いがけない事件が起こっていた

印象的なのは、青年に成長した翼の登場シーンである。格闘場でストリートファイトに興じる短い場面のために、磯村クンは1ヵ月間で役柄にふさわしい精悍な体を作り上げたという。翼が生きるために辿ってきた道のりを、一目瞭然で体現している。

劇場版『きのう何食べた』のみならず、NHK大河ドラマ『青天を衝け』では理知的で温和な徳川家茂を、そして実際にサウナ好きであることからキャスティングされた『サ道』シリーズ(テレビ東京)ではサウナをこよなく愛するキザな経営コンサルタントを演じた同じ年に、こんなヒリヒリとした男になりきった磯村クン。これからどんな振り幅を見せてくれるか、目が離せない。

『ヤクザと家族 The Family』DVD(¥4,290)Blu-ray(¥5,500)、ともに6月3日発売予定 発売元:ハピネットファントム・スタジオ 販売元:ハピネット・メディアマーケティング ©2021「ヤクザと家族 The Family」製作委員会

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香月友里

かづき ゆり。フリーライター。出版社の編集者を経てライターに。同居する5匹の犬猫たちにお仕えしながら、映画とドラマと演劇とJ-POPにどっぷり浸る日々を送る

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