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【北京五輪で話題沸騰】今見たい冬季五輪関連の注目映画3本

感動の実話や爆笑コメディー、そしてほほえましい青春映画。北京五輪開催が迫る中、今ぜひ見ておきたい冬季五輪関連の映画3本を紹介しよう。

北京冬季オリンピックが始まり、日本の選手も連日のように活躍している。そこで、今ぜひ見ておきたい冬季オリンピック関連映画を紹介しよう。

まずは、田中圭主演で昨年公開されたばかりの『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(飯塚健監督)。長野五輪(1998年)スキージャンプ団体では日本チームが見事金メダルを獲得した。その舞台裏で活躍したテストジャンパーたちの実話を描いた感動作だ。

迫真のジャンプ場面

主人公はリレハンメル五輪(1994年)で日本代表だった西方仁也(田中圭)。リレハンメルのジャンプ団体で日本チームは、最後のジャンパー原田雅彦(浜津隆之)が失敗してしまい、銀メダルに終わった。その中には西方や葛西紀明(落合モトキ)がいた。次に地元・長野で開かれる冬季五輪を目指し、選手たちは猛練習を繰り広げる。ところが腰痛を隠していた西方は練習ジャンプで転倒し、けがをしてしまう。懸命のリハビリで回復したが、代表からははずれてしまった。おそらくCGなどによる特撮なのだろうが、ジャンプの競技場面などは迫力たっぷりで、まるで俳優たちが本当に飛んでいるように見える。原田や葛西らを演じる俳優たちが、本人の雰囲気をうまく醸し出しているのも注目だ。

金メダル獲得の裏にあった感動ドラマ

代表からはずれた西方に対して、コーチの神崎(古田新太)は、テストジャンパーをやってみないか、と誘う。競技前に天候やジャンプ台のコンディションを確認するためにジャンプするのがテストジャンパー。そしてジャンプ団体の決勝の日。1回目のジャンプで日本チームは4位に。さらに2回目が始まる前に猛吹雪となり、競技が中断してしまう。このまま再開できないと日本は金メダルはおろか、メダル獲得もなくなる事態となった。審判団の協議の結果、テストジャンパー25人が全員、失敗することなくジャンプできたら競技を再開することになった。日本のメダル獲得の可能性は、25人のテストジャンパーたちに託されたのだ。西方らは、「絶対に日本に金メダルを取らせる」という思いで、吹雪の中の危険なジャンプに向かっていった。

日本チームが逆転で金メダルを獲得した裏に、こんな感動的な物語があったことを、この作品で初めて知った。テストジャンパーは、飛んでも名前を呼ばれることはなく、観客からの歓声も拍手もない。そんな影の存在に光をあて、「舞台裏の英雄たち」として映像に刻印したことは大いに意義があることだと思う。五輪というとスター選手たちに視線が集まりがちだが、選手たちの活躍の裏には多くの人々の思いが詰まっていることを忘れず、北京オリンピック・パラリンピックも注目したい。

次の2作品は、いずれも残念ながらDVD等の販売会社の版権が切れていたため、写真を販売会社から提供してもらうことが出来なかった。ただし、レンタルなどでは見ることができ、中古品は入手可能なので、ぜひ紹介したい。

「ほぼ実話」という爆笑コメディー

まずは韓国映画『国家代表!?』(2009年、キム・ヨンファ監督)。『ヒノマルソウル』の舞台と同じ長野五輪スキージャンプ競技で、韓国チームが初めて参加していた。その代表チームをモデルにした爆笑コメディー。映画の予告編でも、DVDのジャケットでも「ほぼ実話」とうたっているが、ジャンプ未経験者ばかりを集めた登場人物たちの設定もストーリー展開も荒唐無稽で、とても実話とは思えない。史実通りなのは、冬季五輪招致のために代表チームが必要だったことと、この競技で長野五輪に参加した韓国チームが出場13か国の中で最下位だったということだ。平昌(ピョン・チャン)冬季五輪招致前の秘話とも言える。

韓国の冬のスポーツというと、スケートのショートトラック競技が花形で、スキージャンプはマイナー。競技する人はほとんどいなかった。ところが、冬季五輪招致のためには、冬季大会の競技で実績を残す必要があった。そのために、急きょ、寄せ集めの選手たちで、ジャンプの代表チームが作られることになった。その中心選手としてスカウトされたのが、少年の時に米国に養子に出され、アルペンスキーでジュニアの米国代表になった経験を持つボブ(ハ・ジョンウ)。実の母親を探しに韓国に来た際に、「有名になれば母親も出てくる」と半ば強引にコーチ(ソン・ドンイル)から誘われたのだ。国際大会にも出場して、長野五輪を目指す選手たちだが、韓国の冬季五輪招致が一度失敗したため、チームは解散を迫られる。それでも彼らは長野五輪をあきらめなかった。犯罪組織から追われるコーチの娘(イ・ウンソン)とのコミカルなロマンスもからみ、大いに笑える作品になっている。

カーリング女子チームの高校時代

『シムソンズ』(2006年、佐藤祐市監督)は、ソルトレイクシティ五輪(2002年)に出場した日本の女子カーリングチームの高校時代を描く青春映画だ。『ヒノマルソウル』で主役の田中圭がこちらにも出演。加藤ローサ演じる主人公・和子が憧れる、地元出身のカーリング日本代表選手・真人役を務めている。

カーリングが盛んな北海道常呂町(現・北見市)の高校生の和子は、真人から勧められてカーリングのチームを作ることになり、運動が苦手な史江(星井七瀬)、酪農農家の娘・菜摘(高橋真唯)の同級生2人を誘う。真人が用意していたもう1人は、やはり同級生で、競技経験者の美希(藤井美菜)だった。和子たちは、衝突を繰り返しながらもやがて心を一つにして、北海道大会に臨む。

実在の人物がモデルになっているが、大幅に脚色されている。チーム名は、米アニメ「the Simpsons」にちなんだつもりが、うっかり「p」を抜かして「シムソンズ」になったというのは本当らしいが、実際のチームは高校時代に初心者で作ったのではなく、中学時代の同級生3人で作っていたチームに、後に2学年上の1人が加わったものだ。それぞれの家庭の設定も違っているところがあり、映画を面白くするために、かなり“盛った”ようだ。常呂町が、カーリングが盛んな町であるのは事実で、この映画にも、後にバンクーバー五輪(2010年)や平昌五輪に出場する選手らが地元選手役で出演している。現実とは多少異なっている点はあっても、ほほえましくて明るく愉快な青春映画だ。競技の説明も丁寧で、カーリングを知らなくても楽める。

関連情報
  • 『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』


    DVD:4180円(税込み)


    ブルーレイ:5280円(税込み)


    発売元:TBS


    販売元:TCエンタテインメント

Profile

福永聖二

編集委員、調査研究本部主任研究員などとして読売新聞で20年以上映画担当記者を務め、古今東西9000本以上の映画を見てきた。ジョージ・ルーカス監督、スティーブン・スピルバーグ監督、山田洋次監督、トム・クルーズ、メリル・ストリープ、吉永小百合ら国内外の映画監督、俳優とのインタビュー多数。

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