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旅先で一人食事を楽しもう!

iStock.com/RossHelen

一人旅で経験する食事は、旅先で出会う食材や料理だけでなく、人やその文化を知る大切な場面であることを伝える、ロンドンを拠点にしている旅行ライター、リディア・スウィンスコーさんのコラムを、マリ・クレール インターナショナルのアメリカ版デジタル記事よりお届け。

一人で旅することを好む者として、旅には一人での食事がつきものだ。極上の料理と食欲をそそる食材にあふれた世界で、朝食、昼食、夕食のためにAirbnbやお気に入りのホテルにこもる必要はない。「一人用のテーブルをお願いします 」が私の旅の決まり事だ。

親しい友人や恋人、家族と一緒に食事をする喜びは否定できない。私の人生で最も好きな瞬間のいくつかは、ロンドンの昔住んでいたアパートの近くにある小さなレストラン「Ombra」で、集まった友人たちに囲まれてクラムスパゲティにうっとりしたこと、リマで食通仲間と透き通るようなティラディート(※編集部注:刺し身のように薄く切った魚を、冷たく酸味のあるソースに漬けていただくペルー料理)やピリッと辛いセビーチェなどのまばゆいばかりに美しい料理を楽しんだこと、アティトラン湖を眺めながら地元産のグアテマラチーズの皿を囲んで元カレと一緒に文字通り嬉し泣きしたことだ。しかし、レストランで一人きりになり、気が散るものがひとつもない状態で得られる驚きは、まったくもってスリリングなものだ。

iStock.com/sveta_zarzamora

多くの人のアドバイスに反して、私はレストランに本を持っていくのが好きではないし、携帯電話もバッグにしまったままにしておきたい。レストランに入るのは劇場に入るようなものだ。プラスチックの椅子とテーブルが置かれた簡素な街角の食堂であれ、斬新なメニューを誇る一流レストランであれ、できるだけ多くの郷土料理、食材、ブレンドを試してみたいのだ。

そして、旅行仲間や旅先で出会った人に話を聞いたり、ガイドブックやブログを読んだり、本に目を通したりしてから、訪れる価値のありそうな場所を携帯電話の地図にピンでマークを付けていく。読めない標識のある地下鉄に乗ったり、明かりのない未舗装の道を横切ったり、町や都市のどの通りも支配しているように見える南米の野良犬の群れの横をすり抜けたりするのだ。レストランのドアを開けると、食器の音、磨きぬかれたワイングラスに伝わる笑い声、控えめなサウンドトラック……。

どの席に座っても、厨房(ちゅうぼう)に面していたり、店内を見渡せたりと、景色を楽しむことができる。一人客にはバー席がよく用意されるが、このオプションも気に入っている。Leonor Espinosaという世界でもトップクラスの女性シェフが考案した3時間にも及ぶテイスティングメニューは、彼女のレストラン「LEO」のキッチンとダイニングルームに面した席で食べた。まさにマジックだった。

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