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京都人が楽しむ12月の散り紅葉と絶品タルトタタン【町家宿おかみの、たびする京都暮らす京都。】

ラ・ヴァチュール

フランスから認定されたタルトタタンの名店
冷え性の私にとって、冬はあまりうれしい季節ではありません。しかし冬はリンゴの季節、タルトタタンの季節です。タルトタタンは私の大好物、おいしいタルトタタンが食べられると思えば、冬のつらさも少しはやわらぎます。
「おいしいタルトタタンを焼けるおばあちゃん」が私の憧れなのですが、京都には「おばあちゃんのタルトタタン」と呼び親しまれる、タルトタタンの名店があります。それがラ・ヴァチュールさん。

ラヴァチュール 京都 タルトタタン
ラ・ヴァチュール

タルトタタンと呼ばれていても、パイ生地で包まれたもの、カスタードクリームの入ったもの、お店の独自解釈が盛り込まれたものなど、バリエーションはさまざま。そんななか、ラ・ヴァチュールのタルトタタンはフランス風の本格派です。フランスの「タルトタタン協会」からも認定証を授与されているんだとか。

リンゴはじっくりと熱せられてジャムになる寸前の状態で、トロッとしたくちどけ感がやみつきに。リンゴが持つ酸味と甘みは極限まで凝縮されています。煮詰められた糖分はキャラメルとなって、その香りとほのかな苦みがアクセントとなり、食べ進む手が止まらなくなります。

タルトタタン ラ・ヴァチュール 京都
ラ・ヴァチュールのタルトタタン

ちなみにタルトタタンにはプレーンヨーグルトが添えられています。ミルクの成分がタルトタタンをまろやかにしてくれるのはもちろんですが、ヨーグルトの酸味とリンゴの酸味が絶妙なコントラストとハーモニーをもたらしてくれます。バニラアイスやホイップクリームを添えないあたりに、こだわりとセンスを感じますよね。「あくまで主役はリンゴ」という演出にしびれます。

リンゴは時期によって品種や産地が変わります。秋から冬にかけては、みずみずしくてフレッシュな酸味が特徴です。次はどんなタルトタタンが待ってるのかな? なんて、何度も何度も通いたくなるワクワク感も楽しいですね。

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Profile

下岡莉香

しもおかりか 大阪府出身。奈良女子大学卒業後、繊維商社で生地輸出を担当。より活躍できる場を求めて退社後、夫婦で1年5ヵ月、44ヵ国世界一周の旅へ。日本文化の奥深さに目覚め、町家一棟貸しの宿kariganeを開業。1児の母。
HP:https://rokushou.net/karigane/

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