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「ピエール・エルメ語る」ピエール・エルメさんインタビュー

1998年に日本に初めてブティックをオープンしてから、今年25周年を迎えたピエール・エルメ・パリ。9月5日には「ピエール・エルメ語る マカロンと歩む天才パティシエ」(早川書房)が発売され、来日したピエール・エルメさんに話を聞きました。

自伝「ピエール・エルメ語る マカロンと歩む天才パティシエ」

――自伝「ピエール・エルメ語る マカロンと歩む天才パティシエ」が発売されました。昨年、フランスで出版された本の日本語版ですね。

ピエール・エルメ(以下、PH):もう全部読みましたか?

――はい。美味しいお菓子を食べ終えるのがもったいないように、読み終えるのはもったいないと感じながら読みました。自伝の出版に至った経緯を教えてください。

PH:3年前に取り掛かり、書き終えるまでに2年かかりました。カトリーヌ・ロワグ(共同著者)は、ELLEとParis Matchのジャーナリストで、30年来の友人です。私が彼女に話したことがまとめられています。やりとりに長い時間をかけました。

――「ルノートル」での修業時代から現在までのストーリー、エル・ブジのフェラン・アドリアさん、デザイナーのフィリップ・スタルクさんなど多くの著名な方が登場します。ご家族についてもありのままに書いてくださっていますね。

PH:まずは私の仕事について、きちんと話をしたかったのです。仕事には自分の私生活が入り込んでくるものなので、仕事を語るうえで、私生活も語ることになりました。また、これは編集者にいわれて大切にしていたことで、「本というのは個人的なものである」と。そのアドバイスから、パーソナルな内容を入れました。

ピエール・エルメ

――エルメさんの力強い生き方や考え方は、世代や職業を超え、多くの方の参考になると思います。この自伝をどんな方に届けたいですか?

PH:私はターゲットを誰、と考えたことはありません。ケーキと同じく、広くみなさんに、多くの人に、ということです。「創造」がともなう全ての仕事において基本になることを書いたので、フランスでは「自分の仕事やクリエーションにおいて、どのようにするとよいかを知ることができた」という反応はありました。

――エルメさんは、本がお好きだそうですね。

PH:とても好きです。時間があればたくさん読みます。食べ物との向き合い方に似ていますが、考えて読んで、そしてまた考えて、そして読んで、というような本もあります。

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ピエール・エルメ・パリ
https://www.pierreherme.co.jp/

Profile

市川 歩美(いちかわ・あゆみ)

チョコレートジャーナリスト
日本で唯一のチョコレートに特化したジャーナリスト、コーディネーター。365日、日本国内やカカオ生産地をはじめ世界各地を取材し、最新のトレンドをメディアで発信する。チョコレート愛好家歴は約30年。

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