「ピエール・エルメ語る」ピエール・エルメさんインタビュー
2023.10.11
2023.10.11
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――パティシエやショコラティエを目指す人や、若い職人に伝えたいことはありますか?
PH:修業中に、実践の中でテクニック的なことを学ぶと思いますが、材料のことや歴史を、テクニックと同じように学ばなければなりません。また自らの修業として、文化について、自分で学ぶことが大事だと伝えたいです。
――本の中で、スティーブ・ジョブズの「Think Different」という言葉を引用していましたね。自分の本能に耳を傾け、一見“役に立たない”と言われることが、いつかはきらりと光るものになる、という内容があり、共感しました。
PH:自分のために、つまり、自分の喜びのために何かすることが大切なのだと書いたつもりです。
たとえば、2017年に「国際宇宙ステーションへマカロンを送る」という話があって、何の意味があるのか、何故やるかはわからないけど、面白いからとりあえずやってみました。
仕事はとても大変で、宇宙へ送るのでマカロンをマイナス50度から40度までの温度でも崩れず耐えられるように作り、マカロンのかけらが飛び散らないよう、一口で食べられるサイズでなくてはいけないのです。

すると後日、無重力空間でマカロンが飛び交う様子が世界中でニュースになって、大きな宣伝につながりました。目的があったわけでなく、ただ面白いからやろうと思ったことをやっただけのことです。
私は、マカロンを最初に宇宙に送り込んだパティシエです。

〈取材後期〉
時々ご自身のスマートフォンを差し出し、写真やサイトを見せて説明してくださったピエール・エルメさん。昨日、日本に着いたばかりと伺い、「時差でお疲れではないですか」と伺うと、「いつものことだよ」とさらりと一言。前進し続ける揺るぎないパワーを感じました。
今後も続くピエール・エルメさんの物語、新たなピエール・エルメ・パリのクリエーションが楽しみです。
INFORMATION

text: Ayumi Ichikawa, photo: sono, location: PIERRE HERMÉ PARIS Aoyama
ピエール・エルメ・パリ
https://www.pierreherme.co.jp/
市川 歩美(いちかわ・あゆみ)
チョコレートジャーナリスト
日本で唯一のチョコレートに特化したジャーナリスト、コーディネーター。365日、日本国内やカカオ生産地をはじめ世界各地を取材し、最新のトレンドをメディアで発信する。チョコレート愛好家歴は約30年。
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