【パリ発】2022-23秋冬オートクチュールはシンプルな造形美がトレンドに。注目4ブランドに密着
2022.7.21
2022.7.21
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「フェンディ」はアーティスティック ディレクターにキム・ジョーンズを抜擢し、4シーズン目のクチュールコレクションです。
ファーストルックはキムらしいテーラーリングのスーツです。素肌に着たブロンズカラーのジャケットの胸にはダイヤモンドのハイジュエリーが光ります。今シーズン初めてフェンディ家のデルフィナ・デレトレズ・フェンディによるハイジュエリー「フェンディフラーヴス」が披露されました。ランウェイにはボディに沿ったミニマルな刺しゅうドレスが続きます。
京友禅の布地をランダムにパッチワークしたマーメイドドレスはカッティングの技で東洋と西洋の伝統を融合させました。モミジのモチーフを刺しゅうしたチュールガウンは繊細なクチュール技で奥ゆかしさを表現しています。控えめながらインパクトのあるコレクションです。
「メゾン マルジェラ」は3年ぶりのフィジカルなコレクションです。ここ数シーズンのデジタルでの発表ではファッションショーというより映画のようなストーリーのあるフィルムを配信していました。
今シーズン、会場に選んだのは劇場。’Cinema Inferno’(シネマ・インフェルノ)と題した物語の中で新作を纏うモデルたちが台詞を言いながらステージを駆け巡ります。その演劇をカメラが追いかけステージのスクリーンに映し出すという手法です。
チュチュをいっぱい重ねたドレスにスパンコールのパンプスを履きビーズの小さなバッグを持ち演じます。サテンのバルーンドレスやオーバーサイズのテントラインのコートなど美しいシルエットが表情豊かに登場します。ドラマチックな演出ですが、リアルで魅力的な作品が多く、もっとじっくり服を見たかったです。
萩原輝美
ファッション・ディレクター。毎シーズン、ミラノ、パリなど各都市のコレクションを取材。ファッション雑誌に記事、コラムなどを寄稿。専門学校、各種セミナー講師をはじめコンテスト審査委員を務める。新しいエレガンスをリアルに落とし込むファッション提案に定評がある。 Instagram: @hagiwaraterumi
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