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【パリ発】「ブシュロン」圧巻の新作ハイジュエリーコレクション「ニュー マハラジャ」
2022.2.8
パリ在住の本誌特派員による海外最新情報をお届け! 今回は1月のパリオートクチュール期間中にお披露目されたブシュロンの新作ハイジュエリーについて紹介する。
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2022.2.8
パリ在住の本誌特派員による海外最新情報をお届け! 今回は1月のパリオートクチュール期間中にお披露目されたブシュロンの新作ハイジュエリーについて紹介する。
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このたび発表されたブシュロンの新作ハイジュエリーは、1928年にインド・パティアラのマハラジャから依頼を受けた大規模なジュエリーのスペシャルオーダーのデザインをベースに、インドを象徴する要素や伝統的な宝石彫刻であるグリプティック技法を用いた圧巻のコレクションだ。
1928年夏、40人もの従者を引き連れパリを訪問したマハラジャ。そして数千に及ぶダイヤモンド、ルビー、エメラルド、パールが詰め込まれた宝石箱の金庫を抱えて訪れた先がブシュロンのブティックであった。創業者であるフレデリック・ブシュロンの息子、ルイがマハラジャを迎え、149にも及ぶデザインを考案したことは今日でも語り継がれる伝説的な史実だ。
2022年、クリエイティブディレクターのクレール・ショワンヌがこのときの作品へのオマージュとして「ニュー マハラジャ」を発表。ブシュロンのアーカイブピースを再構築し、蓮の花、ターバンの装身具、婚礼儀式のブレスレットといったインドを象徴する要素を散りばめながらも、思い切ってほぼ白と透明のモノクロームの色使いを採用し、まったく新しい時代の男女問わず着用できるモダンなジュエリーが完成した。
神聖なエメラルドの「ニュー マハラジャ」
全コレクションの中で唯一色を持つ本作品は、中央のモチーフにコロンビア産のエメラルド9石(合計約38カラット)を使用し、ブローチとしても着用可能。ブローチを外した状態でのネックレスは、バゲットカットのエメラルドが首のラインに沿い、あらゆる身体の動きにフィットして優美なフォルムを作り出す。
壮麗な蓮の花をイメージ「ニュー マハラニネックレス」
蓮の花を讃えたニュー マハラニは、中央に4.08カラットのクッションカット ダイヤモンドが輝き、ホワイトゴールドにセットされたダイヤモンドが肌の上にレースのように描かれる。さらに中央から上下二つに分けることで、それぞれをチョーカーとして着用することもできる。「私たちはレースの隙間の空間部分からこのジュエリーのバランスを考えて制作を始め、ダイヤモンドを配し、最終的により軽やかな印象に仕上げました」とクレールは語る。
身に纏うモダン「ニュー パドマ」
「パドマ」とはインドで純潔の象徴とされる蓮のこと。ピュアな輝きを放つリングは、ブシュロンのアイコニックなカボションカットのリングから着想を得ているという。カショロン(白色のオパール)のリングの上にセットされたロッククリスタルのドームの中に、グリプティック(宝石彫刻)の技術を用いて彫刻された透明の蓮の花が浮かび上がり、詩的な美しさを湛えている。
繊細なハーモニーを奏でる「ニュー チュリヤーン ブレスレット」
チュリヤーン ブレスレットはインドで女性が結婚する時に着用され、身を守るものと考えられている。ホワイトゴールド、ダイヤモンド、マザーオブパール、パールなど計10本のブレスレットは繊細な輝きでそれぞれ違った質感を演出し、着け方によってさまざまな印象を与える。さらにクリエイティブディレクターのクレールは、この10本のブレスレットを収納するマザーオブパールのコイル(ボビン)をデザインし、着用するのみならず、まるで芸術作品のようにオブジェとしても楽しめる要素を十分に加えている。
華やかな螺旋「ニュー サルペック」
前世紀初頭、マハラジャが誇らしげに身に着けていたターバンの装身具(「サルペック」と呼ばれる)が、クレールの再解釈によりモダンなヘッドジュエリーやブローチへ生まれ変わった。優美な曲線を描き、さまざまなサイズのダイヤモンドがセットされ、中でも二つのローズカットのダイヤモンドの存在感が一際強調されている。
ヴァンドーム広場のハイジュエラーの中でも、常に自由な精神とスタイルで、毎シーズン革新的なクリエイションを生み出し続けるブシュロン。本コレクションは3年の月日をかけてようやく完成されたというだけに、時代を超越した唯一無二の名作が新たに誕生した。
取材・文 須山佳子
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ブシュロン公式ホームページ https://www.boucheron.com/ja_jp/
須山佳子
すやま けいこ marie claireパリ特派員。東京生まれ、パリ在住20年。大学を卒業後パリに渡り、INSTITUT FRANCAIS DE LA MODEでファッション経営のMBAを取得。ファッション界で働いた後、日本の美容とライフスタイルブランドを欧州市場へ紹介するコンサルティング会社と、ECサイトhttp://www.bijo.parisを立ち上げる。老舗百貨店「ル・ボンマルシェ」に定期的に招待されPop-upを企画し、昨年末に常設コーナー「Bijo;」をオープン。 公式Instagram:https://www.instagram.com/keikosuyama_paris/
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