×

世界最高齢のファッションアイコン、アイリス・アプフェルが102歳で逝去

Noam Galai / Getty Images

大きな丸メガネと大胆なアクセサリー使いがトレードマークのファッションアイコン、アイリス・アプフェルが逝去。彼女はうるう日に、自身の“102歳と半年”の誕生日を祝う投稿をしていたばかりだった。マリ・クレール インターナショナルのアメリカ版デジタル記事よりお届け。

ファッション界における“偶然のアイコン”アイリス・アプフェルが102歳で逝去

そして彼女は最後まで自分流を貫いた。

この投稿をInstagramで見る

Iris Apfel(@iris.apfel)がシェアした投稿

アイリスの名声は80歳を過ぎてからピークを迎えた。97歳という美しい年齢にして大手事務所IMGとモデル契約を結んだことを含めて。

102年の人生を謳歌(おうか)したアイリス・アプフェルは2024年3月1日(現地時間)、フロリダ州パームビーチの自宅で亡くなった。ハリー・S・トルーマンからビル・クリントンまで、9人の大統領のもとでホワイトハウスの仕事をするなど、テキスタイル業でのキャリアに加え、アイリスはおそらく、いわゆる「引退」の期間に起こった出来事で、もっとも知られている(夫カールとともに経営していたOld World Weavers社の顧客には、ホワイトハウスのほか、グレタ・ガルボやエスティ・ローダーも含まれていた)。(彼女は83歳のときにインテリアデザイン業界からは身を引いた ※編集部注)

この投稿をInstagramで見る

Iris Apfel(@iris.apfel)がシェアした投稿

2005年にメトロポリタン美術館(通称MET)のコスチューム・インスティテュートで開催された、彼女のコスチューム・ジュエリーのコレクションを紹介する展覧会では、彼女が着用するようにマネキンに衣服がスタイリングされ、「Rara Avis(珍しい鳥=独特の人の意味:The Irreverent Iris Apfel)」と名づけられた。そのコレクションは、多くの人々の注目を集め、晩年の彼女がファッションアイコンとなるきっかけとなった(このMETコレクションは、ファッションデザイナーではない存命中の人物をフォーカスした衣服やアクセサリーの展示としては、同美術館にとって初めての試みでもあった)。展示が始まったとき、「これはコレクションではありません。私のクローゼットを荒らしただけです」と彼女は米紙『The New York Times』に冗談めかして語り、「私はMETでショーをおこなうには、死んでいなければならないといつも考えていました」と付け加えた。

この投稿をInstagramで見る

The Metropolitan Museum of Art(@metmuseum)がシェアした投稿

2014年、彼女はアルバート・メイズルス監督のドキュメンタリー映画『アイリス・アプフェル! 94 歳のニューヨーカー』に登場し、2019年には97歳でモデルとしてIMGと契約した。テキスタイルのキャリアに加え、ファッションは常にアイリスの人生の一部だった。彼女の最初の仕事のひとつは『Women’s Wear Daily』のコピーライターで、週給15ドルだったようだ。彼女はまた、インテリアデザイナーとしても働いていた。若い頃からファッションに携わっていたが、80代にして思いがけずファッション業界のアイコンとなったアイリスは、102歳でこの世を去った。

この投稿をInstagramで見る

Bergdorf Goodman(@bergdorfs)がシェアした投稿

2018年、アイリスの伝記『Iris Apfel:Accidental Icon(原題)』が出版された同年、彼女をイメージしたバービー人形が作られ、(当時96歳のアイリスはバービー人形になった)史上最高齢の人物となった。アイリスの本と同時に発表されたバービーは非売品だったが、マテル社はアイリスにインスピレーションを得てスタイリングされたバービー人形「Styled by Iris Apfel」を2タイプ作り、市販している。

この投稿をInstagramで見る

Tushiya(@naturalettet)がシェアした投稿

2021年に100歳の誕生日を迎えるにあたり、アイリスは米誌『People』に対し、自分自身を、シンプルに働くことが大好きな「エナジャイザー・バニー」だと考えていると語った(エナジャイザー・バニーとは米電池メーカーのマスコットキャラクターのピンクのうさぎで、常に充電されていてエネルギー満タンである ※編集部注)。彼女は生涯を通して、ずっとそうだった。「100歳になったら、座っている以外にすることはある?」と語りかけ、「私はブリッジをしない。ゴルフもしない。働くのが大好きで、自分の仕事を心から楽しんでいるの」と続けた。

関連情報

リンクを
コピーしました