「ERIKO YAMAGUCHI」途上国の街並みから生まれたコレクション 山口絵理子さんの挑戦とビジョン:後編
「途上国から世界に通用するブランドをつくる」をミッションに、バッグやジュエリーなどファッションアイテムを展開するマザーハウス(MOTHERHOUSE)。代表兼チーフデザイナーを務める山口絵理子さんは、2022年に始動したアパレルブランド「ERIKO YAMAGUCHI」から2023 Autumn / Winter コレクションを発表するなど、新たなクリエーションを生み続けている。
後編では、「ERIKO YAMAGUCHI」の2023A/Wコレクション、ライフステージの変化を経た現在の心境に迫る。
*前編はこちら
途上国の日常からA/Wコレクションへ
――「ERIKO YAMAGUCHI」の2023A/Wコレクションをご紹介いただけますか?
出発前の高揚感から生み出された2023S/S「DEPARTURE GATE」に続き、2023A/Wは「CHAOTIC STREET」で、途上国の街並みのカオスな熱気と調和がテーマです。
エスニックなんだけど、東京のストリートっぽさを加えた、自分にしか出来ないようなミックスができたと思います。ボトムスはエスニックっぽいけれど、トップスをショートジャケットで着ると現代っぽくなる、そんなバランスが面白いなって思いながらつくりました。
太めの糸でつくられたトップスと、丸みのあるワイドシルエットのパンツ。いずれもユニセックスで着ることができる。マトウ ビッグ カラー トップス 0 カディ スラブ チェック¥41,800(10月中旬販売予定)、コイキ バルーン リブ パンツ 0 カディ スラブ¥35,200(c) ERIKO YAMAGUCHI 2023-24 AWコレクション “CHAOTIC STREET”
プリントで大量につくるのと、インドでの手仕事では、同じ柄でもまったく風合いが違います。実際にお店で一枚一枚見比べて、お客さまに選んでもらうというコミュニケーションがあるのも、インドらしい個性です。
絵柄の出具合の違いを許容できるブランドの世界観も、手仕事を生かすということにつながります。途上国でのモノづくりの魅力って、こういった生産過程のストーリーにも含まれていると思うんです。
(右)鮮やかなカラーで存在感を放つライトアウター。こちらもユニセックス。インドのペインターの手仕事による生地は、柄や綿の太さが異なって一期一会を楽しめる。手前のピーコックブルーとグレーの2色展開。ミヤビ ライト アウター ハンドペイント シフォン¥51,700
しなやかさと軽さにこだわったレザーは、バングラデシュにあるマザーハウスの自社工場で新たに開発した。マトウ レザー ブルゾン¥99,000(10月中旬発売予定)
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