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40代、50代、60代の俳優たちが輝く! 「アカデミー賞2023」主演女優賞候補に注目

ケイト・ブランシェット 53歳
『TAR/ター』

TAR/ター

© 2022 FOCUS FEATURES LLC.

5月に日本でも公開が決定したトッド・フィールド監督・脚本の映画『TAR /ター』でカリスマ天才指揮者リディア・ターを演じ、主演女優賞にノミネートされたケイト・ブランシェット53歳。本作が8度目のアカデミー賞ノミネートとなる彼女は、2013年『ブルージャスミン』で主演女優賞、2004年『アビエイター』で助演女優賞と、すでに2度オスカーを獲得している。そんな名優街道まっしぐらの彼女は、本作で完璧を超える演技を披露し、自身の最高傑作を塗り替えたと大絶賛されており、本年度の賞レースを席巻中。2022年9月べネチア国際映画祭では、ケイトにとって2度目となる女優賞に輝き、今年1月のゴールデン・グローブ賞でも3度目の主演女優賞(ドラマ部門)を獲得。さらに2月に行われた英国アカデミー賞でも3度目の女優賞を受賞しており、今回のアカデミー賞も主演女優賞の最有力候補との呼び声が高い。

TAR/ター

© 2022 FOCUS FEATURES LLC.

入念なリサーチと準備による徹底した役作りで知られるケイトは、今回のターを演じるにあたり、自分のセリフはもちろん、人のセリフや参考文献の引用箇所にいたるまで、脚本のすべてを暗記。ドイツ語とアメリカ英語を学び、ピアノを習い、ロシアの偉大な指揮者イリヤ・ムーシンの上級特別クラスをオンラインで受け、マーラーの交響曲第5番の演奏を数多く見て研究し、すべての演奏シーンを自ら演じきった。夜中に目が覚めて、寝ながら指揮をしていたことに気づいたこともあったという役への没入ぶりは、フィールド監督も舌を巻くほどだったという。脚本も担当したフィールド監督は英紙『ザ・ガーディアン』の取材で、ケイトのために書いたと明かし、彼女が出演を承諾してくれなかったら、この映画を作ることはなかったと断言。そして、ケイトは自分に当てて書かれた脚本を初めて読んだ時、「吸い込まれるようだった」と語っている。

TAR/ター

© 2022 FOCUS FEATURES LLC.

ケイトも同紙のインタビューを受け、子供の頃のエピソードを披露。最初に彼女の俳優としての才能に気づいたのは、9歳の頃、メルボルン郊外の音楽教室に通っていた時の先生だったことを明かした。「ある日ピアノを弾いていると、先生が『練習していないのね』と私の手を止めたの。私はわっと泣き出して、『していません』と答えたら、『(ピアノは)やめるべきだと思う。だってあなたはピアニストになりたいのではなく、俳優になりたいのだと思うから』と言われた」のだとか。当時はがっかりしたものの、その先生がいかに鋭敏だったかを今は実感していると言い「先生は私が音楽家の役を演じることを察知していたのかもと思う」と打ち明けた。

1993年に演劇界でデビューし、1998年映画『エリザベス』で一躍脚光を浴びて以来、演技派俳優の“女王”として君臨するケイト。1997年に結婚した劇作家で脚本家の夫アンドリュー・アプトンと4人の子供と英国で暮らし、LAで仕事をしながら、故郷オーストラリアとも行き来する生活の中で、「いつも俳優を辞めたいと思っている」という彼女が「辞めるのではなく、仕事量を減らしたいと思うようになった」のは、この作品に「良い意味で揺さぶられた」からだという。30年の輝かしいキャリアを持つケイトにして、「今ではリディアのいない人生を想像することができない」と言わしめた『TAR/ター』。渾身の演技で再びオスカーを手にするのか、注目が集まっている。

『フェイブルマンズ』
全国公開中
https://fabelmans-film.jp/
配給:東宝東和

『TAR /ター』
5月12日(金)TOHOシネマズ日比谷 他全国ロードショー
https://gaga.ne.jp/TAR/
配給:ギャガ

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
全国公開中
https://gaga.ne.jp/eeaao/
配給:ギャガ

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