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40代、50代、60代の俳優たちが輝く! 「アカデミー賞2023」主演女優賞候補に注目

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いよいよ2023年3月12日(現地時間)に迫った第95回アカデミー賞授賞式。世界最高峰の映画の祭典で、今年の主演女優賞候補に名を連ねる注目のマダム世代俳優をご紹介。

多様性を求めて変革が進められているアカデミー賞。テーマもジャンルも多彩な作品がノミネートされ、女性の活躍も目立つ今年は、主演女優賞・助演女優賞の候補10人のうち、実に8人が40代以上。そこで、主演女優賞にノミネートされた俳優の中から、オスカー有力候補とうわさされる40代、50代、60代のスターにフォーカス! キャリアと年齢を重ねながらますます輝く彼女たちが、個性豊かに表現した魅力的なヒロインにもぜひ注目して。

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ミシェル・ウィリアムズ 42歳
『フェイブルマンズ』

フェイブルマンズ

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希代のフィルムメーカーとして世界的に有名な巨匠スティーブン・スピルバーグ監督が、いかにして映画監督になる夢をかなえたかを描く、半自伝的な青春映画『フェイブルマンズ』。作品賞・監督賞をはじめ7部門にノミネートされている本作で、ミシェル・ウィリアムズは映画好きな少年サミー・フェイブルマンの母ミッツィを好演し、主演女優賞にノミネートされた。現在42歳の彼女がアカデミー賞の候補に選ばれたのは、今回で5度目。主演女優賞では、製作総指揮も務めた『ブルーバレンタイン』(2010)、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞を獲得した『マリリン 7日間の恋』(2011)に次ぐ、3度目のノミネートとなる。

フェイブルマンズ

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ミシェルが演じた、自由で個性的な主婦ミッツィ・フェイブルマンは、2017年に97歳で他界したスピルバーグ監督の母リア・アドラーをモデルにしたキャラクター。才能ある芸術家ながら、家族のためにピアニストになる夢を諦めたという過去を持ち、内なる葛藤を秘めつつも、愛と勇気に満ちた自分らしい生き方を息子サミーに示す母親ミッツィを、ミシェルは明るくいきいきと表現。その見事な演技力が高く評価された。

米誌『エンターテインメント・ウィークリー』によると、コロナ禍の真っ最中、ミシェルが自宅で演出家の夫トーマス・カイル氏と一緒に長男を遊ばせていた時に、エージェントからスピルバーグ監督が話をしたがっているというメールをもらったという。その時は驚きすぎて、言葉も出なかったというミシェル。夫に文面を見てもらい、紛れもない事実だとわかってから、飛び上がって、泣いて、大喜びしたのだとか。その翌日にはZoomでスピルバーグ監督と話をしたというが、監督の母親役のオファーだとは言われなかったそう。話を聞いているうちにそれに気づき、「私の理解が正しければ、あなたの愛する母を、私に演じろということですか」と監督に確認したところ、「ああそうだよ」との答えで、30分後には出演を決めたという。

フェイブルマンズ

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スピルバーグ監督に母親が笑う姿を収めたホームビデオをもらい、撮影前に何度も見返し、そのたびに体中に多幸感が走ったというミシェル。ミッツィを演じることについて、「彼女になるのが好きだった。映画の家族を愛していたの。彼女の生き方、高揚感と勇気を持って生きた彼女の人生から離れたくなかった」とインタビューで語り、最後のシーンを演じ終えた時は号泣したと告白。「役のためにあんなに激しく泣いたのは初めてで、周りの人たちを不安にさせたくらい。みんなに大丈夫?と何度も聞かれたわ」と明かした。

9歳から演技を始め、16歳の時に親元を離れて俳優を目指し、17歳でドラマ『ドーソンズ・クリーク』に出演してブレイクしたミシェル。当時は発泡マットレスを床に敷いて寝て、主食はテイクアウトのピザという生活だったいう。今も仕事でLAに来ると、オーディションを駆け回り、「ノー」と言われ続けた寂しくむなしい日々を思い出すのだとか。現在は、元婚約者の故ヒース・レジャーとの娘が17歳になり、現夫との間に生まれた2歳の長男と生後数か月の次男の母でもあるミシェル。夢を追う若者の気持ちも、母親としての人生も、身を持って知っているからこそ、本作の心揺さぶる名演技が生まれたに違いない。

『フェイブルマンズ』
全国公開中
https://fabelmans-film.jp/
配給:東宝東和

『TAR /ター』
5月12日(金)TOHOシネマズ日比谷 他全国ロードショー
https://gaga.ne.jp/TAR/
配給:ギャガ

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
全国公開中
https://gaga.ne.jp/eeaao/
配給:ギャガ

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