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Beauty

調香師ジャン=クロード・エレナ氏が考える香水の嗜み方【ナタリーの日仏ビヤンネートルのすゝめ Vol.40】

心と体を心地よく、美しい状態にするフランス式ライフスタイル「ビヤンネートル(Bien-être)」をキーワードに、日仏美容家のナタリーが今気になるコスメをナビゲート。今回は、ヴィーガンフレグランスの“今”を、世界的調香師であるジャン=クロード・エレナ氏に尋ねた。

2022年5月26日号のマリ・クレールは「For The Future 美しい未来のために」と題してグリーン&サスティナブルなブランドを特集。私が担当した「ヴィーガンフレグランス」特集では、数多くの名香を手掛け、現在は「ル クヴォン」のクリエーションを担うジャン=クロード・エレナ氏にインタビューする機会をいただきました。

エレナ氏が紡ぐポエティックなインタビューメッセージのなかには香りの未来に目を向けた情熱、そして美に対する金言の数々が。こちらのコラムで全文をご紹介します。

ジャン=クロード・エレナ氏 /「ル クヴォン」オルファクティブディレクター

ナタリー:エレナ氏が香水のクリエーションにおいて、ヴィーガンにこだわる理由を教えてください。

ジャン=クロード・エレナ氏(以下 エレナ氏):香水をクリエーションするということは第一に手に取る方、つまりそれを使う方に向けたものであることが大前提です。すべての人が使えること、そしてすべての人の信念を尊重して門戸を開かなければなりません。


ヴィーガンフレグランスをつくることは、香水をヴィーガン(完全菜食主義)の方にも開放することになります。動物由来のものを使用しないという制約は、難しいからこそ創造の源にもなります。香りを愛するすべての人々にとって、新しい香水の扉を開くことになったのです。

ナタリー:香りに対して並々ならぬこだわりを持つフランス国民。フランス人は、ヴィーガンフレグランスという新しいジャンルをどのように捉えていますか。

エレナ氏:ヴィーガン仕様の香水は、完全菜食主義者のみならず、ベジタリアンの方の琴線にも触れています。また、環境や生態系、動物や植物に対し敬意の念を持つ人や、地球の未来を懸念する人からも支持されています。

陽だまりのような甘美な香りのキーセントとなるのが、芳しいプルメリア。さらにイランイランとブラックバニラが、肌の上で交わることで情熱的な夏へと誘い込む。ボタニカルコロン アブソリュート アクアマハナ 100mL ¥10,560/ル クヴォン

香水はただ良い香りによって嗅覚を満足させるだけではなく、美しさを全身で堪能するための“美”である必要があります。植物由来のみの原料を扱うことによって、美意識を犠牲にしたり忘れてしまうことがあってはなりません。

ナタリー:「ル クヴォン」のクリエーションにおいて、エレナ氏が伝えたいことを教えてください。

エレナ氏:多様性における各々の価値観や信条を尊重すること。人を尊重すること。品質を尊重すること。そして自分自身を尊重しないことには、良質なものは生まれえないのです。

ナタリー:この数年間、人々は自分らしく生きることの難しさを強いられてきました。この時代だからこその、香水の楽しみ方を教えてください。

エレナ氏:パンデミックは私たちに香り、そして嗅覚の重要性を再び思い起こさせてくれました。抗えないほど魅了される一方で、あるいは興味がなければ体を背けてしまうほどのパワーが、香りにはあるからです。香りによって人は相手、あるいは自分自身の存在を感じ取っているのです。

エレナ氏:あなた方日本人はかつて、香道を開き、香りと人間が持つ感情を結びつけ、さらにそれを詩にのせました。香りはまさに私たちの人間性、そして本能の双方に訴えかけるものです。私たちの内側にあるこの2つの側面を切り分けることは間違いです。パンデミックのお陰で私たちは精神を落ち着かせ、この2つの“調和”を取り戻すことができたのです。この“調和”という言葉は、とても大切な要素となることでしょう。

多くのクリエーターにとって“作品”は、その人の魂そのもの。エレナ氏と「ル クヴォン」の調香師たちが作り上げたヴィーガンフレグランスに思いを馳せながら、美しい香りを纏う心地よさを堪能してみてください。

ジャン=クロード・エレナ氏(Jean-Claude Ellena)
フランスの高級メゾンで50年以上も活躍し、フレグランス業界を牽引。2019年より、本人が〝一目惚れだった〞と話す「ル クヴォン」のオルファクティブディレクターに就任し、香水市場に新しい風をもたらしている。

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お問い合わせ先

ル クヴォン /  customer.lc@kinds.co.jp

関連情報

Profile

ナタリー(Nathalie)

一般社団法人日仏ビヤンネートル協会代表。モード系美容誌編集を経て独立後、日本とフランスのライフスタイルを融合したオリジナルのビューティメソッドや、海外トレンドを踏まえた美容情報を執筆中。レインボータウンFMのラジオ番組「Nathalie’s Beauty Talk」では第1土曜と第2木曜にフランスの最新美容情報などを紹介。
 https://institut-du-bienetre.com/

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