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水原希子が今、自然派ブランド「キークス」を立ち上げる理由

「日本にも薔薇の原種があったなんて」。そんな発見と驚きから、俳優、モデルとしてグローバルに活躍する水原希子がナチュラルビューティーブランド 「kiiks(キークス)」 をスタートさせる。第1弾は、古くは万葉集でも詠まれ、長く愛されてきた日本在来種の野バラ「ハマナス」を贅沢に配合した「ハマナスローズバーム 〜 HAMANASU ROSE BALM」を3月15日に発売。構想2年、海外を飛び回ってきた彼女が見つけた日本の豊かさとキークスのルーツについて聞いた。

ハマナスとの衝撃的な出会い

冷帯気候で生育するハマナスは、主に北海道から東北地方の沿岸部で多くみられる品種。北海道では古くからアイヌ民族が、花びらを煎じて飲み、壊血病の予防や治療に利用してきたと言われている。

ハマナスの花びら。英語ではJapanese Roseと呼ばれる。

「北海道浦幌町で農園を尋ねた時、車のドアが開いた瞬間にハマナスの香りに一瞬で包まれました。甘い中に爽やかさも持ち合わせていて。現地では雑草扱いだそうですが、ピンク色の綺麗な花で、繊細なのに寒い場所でも逞しく育っていて、その花の蜜を求めて蜂が夢中に群がっている。そんなハマナスとそれを育む自然の豊かさに衝撃を受けて、この感動をシェアしたいという思いが強くなったんです」

成分はホホバ種子油、ミツロウ、スクワラン、エタノール、ヒマワリ種子油、シア脂、水、ツバキ種子油、ハマナス花、ダマスクバラ花油、ハマナス花エキス、ムラサキ根エキス。全て自然由来。

ビタミンCや、タンニンなどのポリフェノールを豊富に含み、貧血防止や抗炎症作用、美肌効果も見込めるというハマナス。「性別や年齢を問わない商品として届けたい」という思いをもとに、鹿児島県肝属郡(きもつきぐん)南大隅町に工房を構えるボタニカルファクトリーを迎え、マルチに使えるバームを製造。自然由来成分100%でケミカルフリーで作られたバームは手のひらで伸ばすと香りがすっと立ち、伸ばすことでバームが肌へと馴染み、優しくふんわりとしたローズの香りが肌にそっと寄り添う。パッケージには男女問わず持ち運べるアルミ缶を採用した。

“縄文”を起源に見つけた本当の豊かさ

ブランド名のキークスの由来は水原希子のニックネーム。ロゴはKIKOの“K”を対称に置いてモチーフをデザインした。発表会では、ロゴをモチーフにしたブローチを象徴的にスタッフが身につけ、ブランドの世界観を表現した。

渋谷駅からも近い古民家で開かれたローンチイベント。会場にはヴィジュアルも飾られている。

「コロナ中日本で過ごし、日本の自然の美しさに圧倒されてこのブランドをやりたいと思ったんです。コロナ後に、海外に出るようになってその思いはどんどん強くなりましたね。日本ってこんなに素晴らしいんだって」。そう考えて2年前に本格的にブランドを始めたいと思い、自然とたどり着いたのは“縄文”というキーワードだ。

ローンチイベントの会場ではロゴを石で模る演出も。
ブランド立ち上げに向けた水原の思いを綴ったメッセージ。

「縄文時代は約10,000年間続いた日本の歴史の中で最も長い時代なんです。私はそんなことすら知らなくて、学生の頃を思い返してもどちらかと言えば野生的なイメージしかなかったんですが、調べれば調べるほど豊かな時代だったんだと気づいて。何より、争いごとがなかった時代なんですよね。私たちは生まれてから常に世界のどこかで争いごとがある時代に生きていて、今もどんどん怖い世の中になっている。そんな時に、自分が生まれた国に”愛に満ちた時代”があったんだということに大きな希望を感じたんです。同時にだからこそ、土器や建築においても、素晴らしいものが残されている。今思うと豊かな暮らしをしていたからこそなんだなと、そこにロマンも感じました」

水原希子流、“サスティナビリティ”との向き合い方

「そういった縄文時代のように、自然の恵みをいただきながら、うまく自然へと還元できるような活動をしていきたいんです」と語る水原は、「ハマナスローズバーム」を皮切りに、食を支える 「お米」や、竹害の課題解決を目指す 「竹」 、耕作放棄地対策を視野に入れた「和ハーブ」 や農業廃棄物を有効活用した 「果物」を題材に、「キークス」でナチュラルコスメのシリーズを展開していくことを掲げている。

海底を泳ぐ姿を撮影したブランドのメインヴィジュアル

コロナ禍ではゴミ拾い活動を行うなど自然環境への意識も高い。「以前、バリに行った時、ポテトヘッドというホテルを経営する友人がゴミ拾いイベントを開催していたんですね。竹でできたDJブースで音楽を流しながら、ご飯や飲み物を振る舞っていて、途中でごみ拾いをするアクティビティが行われたんです。拾ってきたゴミはその場でマシーンにかけてキーホルダーを作ったり。気楽というか、遊びの延長。サスティナビリティを突き詰めていけば辛いことや厳しい現実も見えてきますが、楽しめないと持続できないから、持続可能な心持ちを作っていくことも大事だなって。そこには音楽のような文化や人と人との交流は必要だし、そういうことが伴って初めて保たれるものなんじゃないかな」

会場ではワークショップの開催も。

ブランドを通してとりくんでいきたいことを聞くと、「ちょっとしたことですけど、ワークショップを通してコミュニケーションの場を作ることにも興味はありますし、日本のまだ発見されていないハーブを使ったプロダクト作りもしたいです。近々、海関連のプロダクトを予定していてその時はゴミ拾いイベントも計画したいと思っています」と明かしてくれた。

「ハマナスローズバーム 〜 HAMANASU ROSE BALM」は3月15日の発売に先駆け、オンラインストアにて受注を受付中(3月14日まで)。世界を飛び回ってきた彼女が自身のルーツとなる国でどんな新しい発見をして、どんな表現をするのか、今後の水原希子と「キークス」に期待したい。

text: Mio Koumura

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お問い合わせ先

kiiks ハマナスローズバーム
内容量:35g
価格:¥4,235 (税込)
公式サイト:https://kiiks.online/
BIOTOP 白金台、山形屋(鹿児島)では3月15日から発売開始。

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