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銀座で現代アートを堪能。銀座メゾンエルメス フォーラムで「訪問者」展が開催。

国内外のアーティストによる現代美術の展覧会を開催している銀座メゾンエルメス フォーラム。銀座メゾンエルメスの8階・9階にあり、建築家のレンゾ・ピアノが設計したガラスブロックに囲まれた心地よい空間だ。今回はそんなギャラリーで開催される注目の展覧会をフィーチャー。

10月21日から1月31日の期間、銀座メゾンエルメス フォーラムでクリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタの二人による展覧会「訪問者」が開催される。「訪問者」というタイトルには、日本にルーツを持ちながら英語・米語圏の文化で育った二人が、日本の文化や言語とは一定の距離を持っている、という意味も込められている。

クリスチャン・ヒダカは、1977年千葉県野田市生まれ。現在はロンドン在住のアーティストだ。劇場や建築、西洋の絵画史を参照した絵画作品を特徴として制作している。特にルネサンス期(14〜16世紀)の思想や芸術に強い憧れがあり、遠近法や幾何学的な空間記述のような科学的な技術に着目しているだけでなく、異教や魔術のような古代思想との関連も探求のテーマとなっている。

Siparium | 2020 | Oil tempera on linen | 178 x 255 cm  Photo: Vincent Everarts

近年では、絵画と劇場の類似性をだまし絵のような入れ子式の構造の中に、古今東西のさまざまな要素を取り入れた奇妙な宇宙空間を描き出している。本展では、シンメトリーな構造の中に、ピカソのアルルカン(道化師)や、『受胎告知』で有名なフラ・アンジュリコのディテールなどが反復する作品空間を表現している。

Gathering Peaks | 2019 | Oil on linen | 206 x 325 cm

一方、タケシ・ムラタは1974年アメリカ・シカゴ生まれ。現在はロサンゼルスを拠点に活動している。動画ファイルの圧縮時に発生するエラーを用いて視覚的効果を与えるグリッチ・アートの先駆者として知られていて、アニメーションや映像、CGIからNFTまでさまざまなデジタル・メディアや技法を駆使しながら、独自のリアリズムを追求してきた。

Donuts | 2018 | Digital video; Continuous loop; Silent

本展でムラタは、最新の技術であるWeb3.0やNFTによってもたらされるメタ世界への興味から、バスケットボールをする「ラリー」という犬の映像作品を制作。液体シュミレーターで作られたラリーは彫刻のように見えるが、メタ世界にしか存在しないムラタの自画像でもあるそう。

Larry Cove | 2021 | Digital video; Continuous loop | Sound by Black Dice

現実と虚構を描く二人の現代アーティストが、見る者を異なる次元へと誘う「訪問者」展。アートな空間にどっぷり酔いしれたい。

text: Akiko Yoshida

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お問い合わせ先

「訪問者」クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展
会期: 2022年10月21日(金)〜2023年1月31 日(火)
開館時間: 10:00–19:00(入場は18:30まで) 
休館日: 不定休
※ギャラリーは基本、銀座店の営業に準じております。ただし、開館日と開館 時間についての最新の情報はウェブサイトをご確認ください。
入場料: 無料
会場: 銀座メゾンエルメスフォーラム 8・9階(中央区銀座5-4-1 TEL 03-3569-3300)
主催: エルメス財団

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