ストレス対策と生活習慣を見直し、人生を豊かにする眠りの効能

昨今、日本人の睡眠不足が指摘されるようになって久しい。睡眠の目的は“身体と神経を休ませる”ことだけかと思いきや、実はもう一つ、別のメリットがあるのだという。「それは、“忘却”です。睡眠には、その日にあったことの9割くらいを忘れさせる作用があります。たとえ日中に少々嫌なことがあったとしても、しっかり眠ると、ある程度はリセットできる仕組みがあるのです。特に人間関係を中心に、ストレスが多い現代社会においては、身体だけでなく、心のリカバリーに睡眠は不可欠」

ストレスが睡眠の質を下げ、ストレスを“消化”できなくなる悪循環へ

「ホルモンによって、私たちの睡眠には一定のリズムが生じています。ところが、心身にストレスが生じると『メラトニン』というホルモンの分泌が減り、心身が興奮して寝つきが悪くなることが。一般に脳を休息させるノンレム睡眠と、身体を休息させるレム睡眠が約90分周期で繰り返されますが、睡眠が浅くなるとノンレム睡眠が減少し、日中に起こった嫌なことや不安などを忘れることができなくなってしまいます。入眠障害、熟眠障害（朝起きた時に熟睡した感じがない）、中途覚醒といった悩みは、今や約9割もの人が抱えているとも」

“運動、栄養、ハーブ”の三本柱でストレス対策＆睡眠の質を向上

“忘れ上手”になるコツは主に3つ。「まずは運動です。5000歩以上歩くことから始めてみて。また、ホルモンの元となるバランスのよい食事も大切。特にブロッコリーや鶏肉に含まれる『トリプトファン』は睡眠に効果的です。また、不飽和脂肪酸と呼ばれる『γ-リノレン酸』の摂取もおすすめ。ボリジ油や月見草油といった植物オイルに含まれており、夕方に摂ると睡眠の質の向上が期待できます。最後に、神経を緩めるハーブは強い味方。『バレリアン』や、深い眠りが期待できる『パッションフラワー』を、ハーブティーなどで眠る1時間前くらいに摂りましょう。お風呂で体を温め、オイルマッサージを行うのもいいですね」

睡眠環境を整えて、幸せな老年期を迎える第一歩を

眠りの環境も大切なファクター。「スマホやPCの光はメラトニンの分泌を低下させるので、夜の使用は控え、暗めの照明で過ごしましょう」。年齢とともに眠りに変化が出てきた人にはこんなアドバイスも。「特に女性の『更年期』は、体の“大変革期”。日々変化する身体を、よく観察することが大切です。睡眠は個人差があり、個々の“熟睡感”という実感がゴール。決して人と比べる必要はありません。昨今は平均して男性は約9年、女性は約12年ほど、終活期に介護を受けている時代。睡眠を大切にすることは、健康寿命を延ばし、結果的に元気な日を1日でも増やすことにつながるのです」

幸せな眠りへと誘うセルフケアを取り入れて

THREE
良質な睡眠へと導く精油を配合したオイル状美容液。就寝中の肌の生まれ変わりをサポート。

ザ パブリック オーガニック
ベッドリネンなどに使えるファブリックミスト。安らぐベルガモットやユーカリなどの香り。

バンフォード
フローラルに加えて、ラベンダーとハーブが香るキャンドル。ゆったり過ごして夢見心地へ。

ヴェレダ　
オーガニックラベンダー精油を10%配合したボディ用オイルで、マッサージすると心身がほぐれるのを実感。

Waphyto　
森田敦子さんが監修。バレリアンやパッションフラワーなどのハーブを配合した液状のサプリメント。1日1回程度、スポイト半分の量をお湯やハーブティーに混ぜて飲用。すっきりとした起床へ。

エンシェント ミネラルズ
海底1500メートルから採取した高濃度マグネシウムがフレーク状の入浴剤に。睡眠の質に関わる「マグネシウム不足」を、経皮吸収によってサポート。