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冬はコレ「大根おろしと菊芋チップスのぶっかけうどん」 菜食ひとりまかない飯Vol.5

ヴィーガン食に興味があるけど家族やパートナーに作る料理に取り入れるのはハードルが高い、忙しくてご飯にあまり時間をかけられないけれど作ってみたい、もちろんすでにヴィーガンじゃわい!という方にもぜひ試してほしい、「菜食ひとりまかない飯」をパリの料理家・室田 HAAS 万央里さんがご紹介。

冬のまかない飯はどうする?

私が週に2回お昼を作らせてもらっているバラックマーケット(長野にある地元のオーガニック野菜や乾物を量り売りする店)の店先は、先月まで花屋ですか?というほど葉物がわさわさとしげるように置いてあったのに、雪の降り始めた今は急に閑散として寂しい。

食堂も開けるか開けないか迷ったけど、話し合って、乾物やお豆腐、農家さんに分けていただいた備蓄のお野菜を使って、冬の間は細々と営業をすることに決めた。乾物のお豆は美味しいし、雪の中で甘みが増す野菜も食べてみたいし、漬物だって少しは漬けておいたし、まったく食べ物がなくなるわけじゃない。でも、白菜、菊芋、大根などの野菜は白く、外を見ると雪が降り、なんだかどこまでも白い世界。

「アリとキリギリス」ってこんな話だったなと、夏に遊び呆けて山のようにあった夏野菜を保存食にしていない私(キリギリス)は後悔しても、もう遅い。

最近のひとりまかない飯は、漬けた白菜が美味しすぎて毎日ご飯をくるりと巻いては食べていたけど、久しぶりに麺を食べよう。

近くにある美味しいおうどん屋さんの麺をバラックでも量り売りで買えるようになったので、いそいそとお鍋にお湯を沸かす。

その間に用意するものは、麺つゆ、菊芋、大根、そして柚子(ゆず)。

大根おろしと菊芋チップスのぶっかけうどん, ひとりまかない飯2

今回のひとりまかない飯も白い。大切にとってある九州の伯母の庭で取れた柚子をぜいたくに搾って、それが唯一の色味。パリパリの菊芋チップスに甘い冬の大根、たっぷりの柚子の果汁を搾り、ツルツルとうどんを食べる。

菊芋はチップスにするけれど、少量ならおうどんをゆでている間にできるから、ぜひ挑戦してほしい。菊芋チップスを食べたことがない人は、あまりの美味しさに今度から菊芋を見つけたら買わずにいられない病にかかると思う。多分。(酒のつまみにも最高)

麺つゆは市販のものでもいいけれど、自分で作ると簡単で本当に美味しいので、ぜひ作ってみてください。連載の第1回でもご紹介した精進麺つゆです。

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Profile

室田 HAAS 万央里(ムロタ ハース マオリ)

料理家。東京生まれ。17歳でNYに移り住んだ後、インドネシア、再び東京を経て2003年に渡仏。モード界で働いた後、ケータリング業に転身、料理教室や出張料理をパリで行う。2023年の夏に長野県に移住。ハム好きな4歳の娘、ほぼベジタリアンな夫と暮らしながら「みんなが喜ぶヴィーガン料理」をインスタグラムで発信している。2019〜2021年、朝日新聞デジタル&W で「パリの外国ごはん そのあとで。」を連載。著書に「パリの菜食生活 ふだんづかいのヴィーガン・レシピ」(青幻舎)、「Tokyo Les recettes culte」「Cuisine Japonaise maison」(ともにフランス、Marabout 社)がある。 インスタグラム:@maorimurota

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