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炊きたてのご飯にのせてかっこむ「小松菜丼」 菜食ひとりまかない飯Vol.3

ヴィーガン食に興味があるけど家族やパートナーに作る料理に取り入れるのはハードルが高い、忙しくてご飯にあまり時間をかけられないけれど作ってみたい、もちろんすでにヴィーガンじゃわい! という方にもぜひ試してほしい、「菜食ひとりまかない飯」をパリの料理家・室田 HAAS 万央里さんがご紹介。

新米と旬の葉物、心温まる料理の季節

みなさん、新米の季節ですね。

フランスに住んでいた時も、マルシェに出回る白アスパラや熊ニンニクにセップ茸と、季節ごとに旬のものに心躍らせ楽しみました。でもあれです。新米には勝てん。日本人のDNAが喜びうち震える新米。

今、私が住む長野では新米が出始めました。

この前まで稲穂を垂れ金色だった田んぼには刈り取られた稲が干され、白い花を咲かせていた蕎麦畑は茶色に実を付け、目の前に広がる山は日に日に赤くなっていきます。うーん凄い。季節の移り変わり、こんなにダイレクトに感じたこと人生でないかも。と早朝、職場に向かう自転車で冷たい風を感じながら思います(いい加減手袋買わなきゃ)。

私が働いている食堂で(そして勿論自宅でも)お世話になっているお米農家のキマモリ農園さんからも、新米が届いてスタッフ大盛り上がり。メニューの黒板にも「今日から新米です!」と思わず書いちゃいますよね。だって新米ですもの。お客様も「あら! 今日から?」と嬉しそう。日本人がいかにお米を愛しているか、ひしひしと感じます。

菜食ひとりまかない飯Vol.3

キマモリさんの有機農法のお米はあっさりと懐深く、おかずを包み込むような、おかわりが進んで仕方がないお米。若奥さんがお米を炊く時に私もご一緒させていただく機会があったのですが、お米を慈しむように優しく両手で挟んで滑りをとる洗い方をされていて、まるで赤ちゃんを産湯で洗うように愛に溢れたお米の研ぎ方でした。

衝撃を受けて(それはもう勢いに任せてガシガシと研いでいたので)、それ以来もっぱら優しくお米の表面の糠を落とすを心がけてお米を洗っています。

キマモリ農園

今日はそんな新米の季節に、お米と次々出てきた葉物を楽しむレシピです。春菊、青梗菜、小松菜に、朝、農家さんから届いた野菜を一度水揚げして――。水揚げして洗い終わった食堂のキッチンは、さながら森のよう。

室内のキッチンの冷たい水にヒイヒイ言ってますが、一束一束もう既に丁寧に洗って納品されていて、こんな丁寧に葉物をきれいにしてから出荷する農家さんの大変さに本当に頭が下がります。お恥ずかしながら、以前はそんな事にも頭が回らなかった次第です。

小松菜 菜食ひとりまかない

で、本日は小松菜を使います。

出始めの新鮮な小松菜、生で食べても甘くて美味しい! これを韓国風のタレでささっと和えたら炊きたてのご飯にのせてかっこむ!

小松菜は和えて時間をおくと水が出ます。なので和える→熱々ご飯にのせる→即食べる、が最高です。これぞひとりまかない飯の醍醐味。好きなものをベストなタイミングで食べる。

みなさんもいかがですか? 葉の柔らかい春菊が手に入ったらそれも美味しいですよ。

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Profile

室田 HAAS 万央里(ムロタ ハース マオリ)

東京生まれ。17歳でNYに移り住んだ後、インドネシア、再び東京を経て2003年に渡仏。モード界で働いた後、ケータリング業に転身、料理教室や出張料理をパリで行う。現在は主にオンラインでのヴィーガン料理教室、レシピ本執筆、企業へのレシピコンサルティングなどを手がける。ハム好きな4歳の娘、ほぼベジタリアンな夫と暮らしながら「みんなが喜ぶヴィーガン料理」をインスタグラムで発信している。2019〜2021年、朝日新聞デジタル&W で「パリの外国ごはん そのあとで。」を連載。著書に「パリの菜食生活 ふだんづかいのヴィーガン・レシピ」(青幻舎)、「Tokyo Les recettes culte」「Cuisine Japonaise maison」(ともにフランス、Marabout 社)がある。 インスタグラム:@maorimurota

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