菜食ひとりまかない飯 焼きとうもろこしと獅子唐ミョウガの棚ぼた素麺

ヴィーガン食に興味があるけど家族やパートナーに作る料理に取り入れるのはハードル高い、忙しくてご飯にあまり時間をかけられないけれど作ってみたい、もちろんすでにヴィーガンじゃわい! という方にもぜひ試してほしい、「菜食ひとりまかない飯」をパリの料理家・室田 HAAS 万央里さんがご紹介。
ヴィーガン食に興味があるけど家族やパートナーに作る料理に取り入れるのはハードル高い、忙しくてご飯にあまり時間をかけられないけれど作ってみたい、もちろんすでにヴィーガンじゃわい! という方にもぜひ試してほしい、「菜食ひとりまかない飯」をパリの料理家・室田 HAAS 万央里さんがご紹介。
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はじめまして、パリで料理をなりわいとしていた室田万央里です。数年前まではケータリングを主に行っていたのですが、娘が生まれてからはレシピ本の作成や料理教室をしています。
2020年にフランスであったロックダウンの時に色々と思う事があり、それ以降、仕事と自分のためのご飯に関してはプラントベース(植物性の食材を使ったもののみ)なのですが、肉も魚も食べる家族のためには動物性のものを使い、人の家に呼ばれたら残さず何でも食べ、旅先ではできる範囲で野菜ばかり食べるという緩めのプラントベース食をしています。
娘が4歳とまだ小さいこともあり、自分のためのご飯は、仕事場で休み時間にささっと作ってささっと食べる「ひとりまかない」(と命名)の時のみ。少ない材料で簡単に作れて満足もできて、しかもプラントベース。最高じゃないか! 誰のことも考えず、自由に好きなものを好きなだけ食べられる、このひとりまかないの時間が私は大好きなのです。
先ほど “パリで料理をなりわいとしていた”と書いたのは、今年の8月から娘とフランス人の夫と家族で日本1年移住計画を立て、長野県に引っ越してきたばかりだからです。
日本滞在期間中はパリのアトリエとパリ郊外にある自宅を人に貸すために、工事をしたり片付けたりが永遠に終わらず、徹夜のまま空港に向かうも、日本行きの飛行機に乗り遅れて次の便まで空港で12時間も待機。
長野までの新幹線は最終ぎりぎりで乗り込み、深夜1時に家族で行ったラーメン居酒屋が日本初の食事というやらかし具合……。ちなみに私の食事は生キャベツとうま味噌(みそ)、オニオンスライス、冷やしトマト。居酒屋万歳!
やっと引っ越し先に荷物が届き、しかし大した皿も調理用具も買い物に行く気力もないが腹も減ってきたところ、運良く娘が時差ボケで寝落ち。さあひとりまかないの時間です(夫はどっか行った)。
朝、麺つゆは作って冷やしておいたのがある。実家の母が送ってくれた素麺(そうめん)もある。
大家さんにお裾分けでとうもろこしをもらった。庭にミョウガが生えてるって言ってたな。
昨日、長野駅の近くで乗ったタクシーの運転手さんにもらった獅子唐とピーマンのあいのこみたいな野菜(「母ちゃんと2人じゃ食べきれないから食べてー。朝5時から水やって作ってるんですよ。良かったらもらってやって」と突然渡された)、あれも使って素麺だ!
とうもろこしはサッと炒めて火を軽く通し、ゆでて水で締めた素麺が見えないくらいたっぷりのせる。輪切りにした生の獅子唐と薄切りにしたミョウガものせて、薄く煙が出るくらい熱した油をその上からジュッ。
おろし生姜(しょうが)に冷えた麺つゆをぶっかけたら、これも運転手さんにもらったシソをもりもりのせて出来上がり。
麺に熱い油をかけるのは大好きな調理法。
コクと香ばしい香りが立ち、香味野菜などの上にかけると生にはない風味が出るのでよくやります。ムッチリのとうもろこしにシャクシャクのミョウガと獅子唐がすごく合う!
日本で初めてのもらい物ばかりの棚ぼたひとり飯。おいしかったです。
ぜひ試してみてください。
<材料>
素麺 1人分
とうもろこし 1/2本
獅子唐(小さめ) 2本(ピーマンでも可)
ミョウガ 1個 薄切り
シソ 1、2枚
生姜 小指の先大(おろしておく)
太白胡麻油(またはくせのない油) 小さじ1 + 小さじ2
*精進麺つゆ(よく冷やしておく)
<作り方>
① とうもろこしは粒を外し、小さじ1の太白胡麻油でさっと炒め、ひとつまみの塩(分量外、なるべく自然塩)で少し味をつけておく。とうもろこしが新しいものなら、半生くらいでもおいしい。胡椒(こしょう)が好きな人はここでガリガリと黒胡椒をひいてもおいしい。
② 獅子唐(またはピーマン)はワタとタネを取り、薄く輪切りにする。
③ 素麺1人分(私は100g食べてしまうのですが皆さんはどうですか)を茹で、水でよくもみ洗いして水気をしっかり切り、深さのある器に入れる。写真では小さめの器にぎゅうぎゅうに入れてますが、引っ越したばかりでそれしかなかったんです。皆さんはぜひ余裕のある器にどうぞ。でないと食べるときにとうもろこしがあふれます。
④ とうもろこし、獅子唐、ミョウガの順に麺の上にのせる。
⑤ 小鍋に小さじ2の太白胡麻油を熱し、薄く煙が出たらミョウガと獅子唐に目掛けてジュッとかける。
⑥ おろし生姜とシソをのせて、麺つゆをかけて混ぜながらいただきます。
<ポイント>
お好きな麺つゆを使っていただいていいのですが、私の著書、「パリの菜食生活」(青幻舎)から、とても使い勝手のいい精進麺つゆのレシピも、ついでに次のページでご紹介。
パリの料理家が直伝、ふだんづかいの美味しいヴィーガン・レシピ
40代からはパリジェンヌのように! 素敵に年齢を重ねる生き方のヒント Vol.10 料理はがんばらない
幸せになる4つの生活習慣の取り入れ方
室田 HAAS 万央里(ムロタ ハース マオリ)
東京生まれ。17歳でNYに移り住んだ後、インドネシア、再び東京を経て2003年に渡仏。モード界で働いた後、ケータリング業に転身、料理教室や出張料理をパリで行う。現在は主にオンラインでのヴィーガン料理教室、レシピ本執筆、企業へのレシピコンサルティングなどを手がける。ハム好きな4歳の娘、ほぼベジタリアンな夫と暮らしながら「みんなが喜ぶヴィーガン料理」をインスタグラムで発信している。2019〜2021年、朝日新聞デジタル&W で「パリの外国ごはん そのあとで。」を連載。著書に「パリの菜食生活 ふだんづかいのヴィーガン・レシピ」(青幻舎)、「Tokyo Les recettes culte」「Cuisine Japonaise maison」(ともにフランス、Marabout 社)がある。 インスタグラム:@maorimurota
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