【2月27日 marie claire style】私の夢の一つに、世界中のレコードショップに自分の作品を置いてもらいたいというのがあります。2018年の秋、はじめてロンドンへひとり旅をしたときは、名門インディーズレーベルから作品をリリースすることで、さまざまな国にリーチできるはずと考えていました。せっかくロンドンにいるからと、昼夜歩くつもりでフットワークを軽くし、いくつものレーベルにメールで問い合わせながら、アポなしでも訪問しました。日本から来たと伝えると、持ち込んだ音源を親切に受け取ってくれたところもあれば、門前払いされたこともありました。関係者とのコネクションもなく、建物のポストに手焼きのCDを突っ込んだり、やみくもに扉を叩いて連絡を待つような日々。がむしゃらな努力はむなしく、そのあと数ヵ月経っても、欲しかった返事は得られませんでした。約1年後、「この配信主流の時代に、どこのレーベルから出すかなんて、もうどうでもいいや」と開き直ったそのとき、欧州でレコードを出さないかという話が舞い込みました。彼らはUKに拠点を置く新レーベルで、私が2019年に自分でリリースしたアルバム『Closer』を日本で発見し、心から愛してくれていたのでした。
■PICK UP !/2020年、過去と繋がりながらポジティブな気持ちになれた楽曲 ・Lauer「 You Know – Extended Version」 2019年12月リリース。80年代を彷彿とさせるノスタルジックでセンチメンタルなメロディが、2020年のはじまりにフィットしました。前向きで優しい気持ちにさせてくれます。ジャケットも可愛いです。
・Soleil Vert「 Souvenir – You Man Remix」 2020年1月リリース。”Memory over victory, Victoryover souvenirs”(勝利に対する記憶、土産に対する勝利)。どのようにでも解釈ができるリリックが繰り返されるこちらのリミックスは、上記のLauerとセットで聴いています。2017年にリリースされたオリジナル版も好きです。