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生誕100年! 今振り返るピエール・カルダンのデザイン プロダクト編

1960年代に巻き起こったスペースエイジブームを牽引したデザイナーのひとりにして既成服やライセンス事業の先駆者でもある希代のデザイナー、ピエール・カルダン。2020年12月に急逝したものの、今年は生誕100年という節目の年。数多くの名作を生み出したカルダン氏だが、 その一部を、今年7月に発売された「ピエール・カルダン デザイン アーカイブ」から抜粋して紹介する。

前衛的な服ばかりではない、リアルクローズなカルダン

ピエール・カルダンアーカイブ
ピエール・カルダンアーカイブ

1959年に高島屋とライセンス契約し、日本でもコレクションを開催。毎年製作していたカタログはパリで撮影した写真を掲載していたが、徐々に日本でも撮影するようになった。

1970年代に入るとファッションの流行はモダンからクラシックへ回帰していく。そんな中においてもカルダンらしいデザインを発表し続ける一方、上の写真のように時代のトレンドに寄り添うスタイルを発表していった。

“布の魔術師”と呼ばれ、立体裁断や斬新なルックを次々を発表した一方、1968年頃からさまざまなプロダクトも手がけるようになっていったカルダン氏。その幅広さは「スリッパから飛行機まで」と言われるほどだった。

ライセンス事業は、起業家が自分の考えを支持してくれるということ

手がけるものの範囲の広さは時に非難されることもあったが、カルダン氏が重要としたことは「何を手がけるか」ではなかった。「私のブランド名を商品に付与するということは、私の考えを支持してくれる起業家たちと連携するということなのです」(「ピエール・カルダン ファッション・アート・グルメをビジネスにした男」駿河台出版社刊/シルヴァナ・ロレンツ著・永瀧達治訳より)と話す。

ピエール・カルダンアーカイブ デザイン家具
カルダンらしいモチーフを取り入れたキッチンやファブリックや自転車。テーブルの上のガラス製品は、イタリアのベネチアンガラスブランドのベニーニとのコラボレーション。
関連情報
  • ピエール・カルダン アーカイブ


    ピエール・カルダン デザイン アーカイブ


    ピエール・カルダン氏の生前の仕事や功績を振り返るビジュアル書籍。1960年代のファッション革命に及ぼした多大な影響を始め、プレタポルテやライセンスビジネス、芸術振興など全仕事をまとめた一冊。(グラフィック社)


     

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