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「エルメス」から届いたこの春の2大ビッグニュースに注目!

「エルメス」の主催する「カレ・デザインコンテスト」で昨年グランプリを受賞したアーティスト、京森康平氏によるスカーフ"デュオ・コスミック"が世界に先駆けて「エルメス表参道店」で発売される。スカーフと呼応する、京森氏デザインのウィンドー・ディスプレーも注目。スカーフ"デュオ・コスミック"[90×90cm]52,000円(エルメス/エルメスジャポン)(c)Asa Sato

【2月25日 marie claire style】豊かな創造性と卓越したクラフトマンシップを誇り、常に新しい挑戦を続ける「エルメス」。

この春も、待望の大型路面店オープンやメゾンの歴史を描いたマンガの新刊が登場と、ファンたちの心をときめかせる話題が満載で、目がはなせない。

■News 1/話題のエリアに新しい拠点「エルメス表参道店」がオープン
 1979年に誕生した丸の内店、2001年の「銀座メゾンエルメス」に次いで、「エルメス」の東京での新しいランドマークとなる路面店「エルメス表参道店」が、いよいよ2月28日(日)にオープンする。ラグジュアリーファッションからストリートカルチャーまで、さまざまなショップが立ち並ぶ最先端の流行発信地でありながら、大きなけやき並木が続き、豊かな自然も体感できる表参道。そんなエネルギーに満ちた美しい通りに誕生する「エルメス表参道店」は、今までにない新しい「エルメス」の姿を映し出している。

 新店舗は、パリの建築設計事務所「RDAI (レナ・デュマ・アルシテクチュール・ダンテリユール社)」の構想により、488㎡の面積を持つ2層構造。中世の日本の城郭とその上に繁茂する竹林がインスピレーション源になったという建物の外壁には、100年前に表参道を開通させるために土留めとして築かれた石垣をそのまま残しながら、竹林に見立てたステンレス製の柵で取り囲み、現代的に仕上げられている。

 1階には、スカーフをはじめ、香水、ホームコレクション、バッグや革小物などのレザーグッズ、そして「エルメス」の起源でもある馬具のコーナーなどを配置。ジュエリーと時計の落ち着いたサロンのような空間の奥には、コーヒーラウンジがあり、店内でのショッピングの合間にゆっくりとくつろげる演出も。2階に上がると、自然光が降り注ぐ明るい空間に、ウィメンズとメンズそれぞれのコーナーが広がり、プレタポルテとシューズの豊富なコレクションが一堂に揃う。ガラスの向こうにガーデンテラスが見渡せる広々としたVIPルームや十分なスペースを備えたフィッティングルームなども設置されている。

 インテリアは、畳のフォルムをイメージした石や木張りの床、森の苔を思わせる色合いのラグ、藁を含ませた伝統的な左官壁(スタッコ)など、日本の伝統を感じさせながらもモダンで洗練された表情が印象的。フロアの中央左にある階段は、1本の桁で支えられた踏み石が宙に浮いているかのように有機的なラインを描き、その吹き抜けには、竹工芸作家の本田聖流氏による縄目編みのアートワークが展示され、訪れる人の目を惹きつける。

 街の成り立ちを物語る歴史的遺産と現代性との美しい融合によって生まれたこの新しい「エルメス表参道店」で、メゾンの世界観を表現した空間、インテリア、アート、豊富なコレクションを通して、「エルメス」の文化や歴史、ものづくりの原点にあらためて触れてみたい。

・エルメス表参道店
東京都渋谷区神宮前5-7-20
tel: 03-6712-6612
営業時間: 11:00~19:00 水曜定休

■News 2/マンガで歴史を綴る名作が再び!新版「エルメスの道」
 1837年に馬具工房として創業した「エルメス」の歴史を初めて詳細に物語るマンガとして、大きな反響をよんだ「エルメスの道」(竹宮惠子著・中央公論社刊)の発表から24年。満を持して漫画家の竹宮惠子氏が再びペンをふるい、新たな「エルメス」の歩みを追加した新版「エルメスの道」が、3月10日(水)に発刊される。

 新版では1997年以降の出来事をマンガにするにあたり、3つの大きなトピックスに焦点を当てる。1つ目は2001年に完成した、透明なガラスブロックを用いて都市を照らすランタンをイメージして建設された「銀座メゾンエルメス」にまつわる物語。2つ目は2010年から始まった、馬の魅力をパリの中心地で披露する画期的なイベント、馬術競技大会「ソー・エルメス」について。そして3つ目は素材を余すところなく使用し、メゾンとは異なるメチエ(製造技法)とも組み合わせることで、機能性と遊び心を兼ね備えたオブジェを作り出す創造的なプロダクト「petit h(プティ アッシュ)」の誕生秘話。

 新版刊行に際し竹宮惠子氏はこう語る。「エルメスは2度、新しい扉を開くきっかけを私に与えてくれた。こうなれば、もう良い仕事で答えるしかない。職人ならば誰もがそう考えるだろう」(本書あとがきより)。竹宮氏は今回アシスタントを全く依頼せず、マンガ制作ソフトやツールを駆使し、作品のすべてを「一人で描く」ことに挑戦した。

「職人」を極めた漫画家が、「エルメス」の歴史という壮大な職人たちの叙事詩を、入念な取材と膨大な資料をもとに、美しくリアルなビジュアルで描き、世界を代表するグランメゾンの魅力に迫った渾身の完全版。長年の「エルメス」ファンはもちろん、「エルメス」に憧れている若い世代の人々や、これまで続編を待望していた竹宮作品のファンにも、必見の1冊だ。

text: Aya Kanemasu

・新版「エルメスの道」
竹宮惠子著・中央公論新社刊
3月10日 全国書店及びエルメス表参道で発売。
エルメス表参道ではYOSHIROTTENデザインの限定カバー付きで販売(限定数)
A5 ソフトカバー装 288ページ
1,600円

■関連情報
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※記事内の商品価格はすべて、本体のみ(税抜)の価格です。
(c)marie claire style/photos: Asa Sato(still)

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