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ルネ・ラコステの精神と伝統をモダナイズ。「ラコステ」24年秋冬コレクション

新しくクリエイティブ・ディレクターにペラジア・コロトロスを迎えた「ラコステ」。パリ五輪の年に、ルーツをたどりつつ、新たな時代へと再構築。2024年秋冬パリファッションウィークを現地よりリポート!

ショーの会場は、ローラン・ギャロスのセンターコート。テニスの全仏オープンが開催される場所だ。「ラコステ」にとって縁の深い場所である。ルネ・ラコステは1927年にアメリカのデビスカップで優勝した初めてのフランス人であり、その歴史的な勝利がこのスタジアムの建設、そして全仏オープンの誕生へとつながっていった。

今回はコロトロスがルネ・ラコステに敬意を表し、テニスというスポーツの規範やアーカイブの資料を再考し、フレンチ・シックの洗練された服へと昇華させた。特徴的なのは、1927年にルネとアーティストのロベール・ジョルジュによってデザインされたワニのオリジナルイラストに基づいて、モダナイズしたもの。メッシュレースのタンクトップやドレスに、ワニの形をしたスパンコールを全面に施している。また1930年代のネクタイやシルクスカーフの意匠をテキスタイルデザインとして再構築した。

また、1933年のオリジナルのラコステのテニス・ポロシャツやプリーツ、ルネ・ラコステがボールをスマッシュする写真プリント、そして、拡大した黄色のワニを刺しゅうしたカシミアウールのコート。コロトロスはラコステの物語を服という表現で紡ぎ、現在、そして未来へとつなげている。

text: 宮智 泉(マリ・クレールデジタル編集長)

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