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女性の存在感をアピールするシンプル&エレガンス。シルエットを強調したクロエのベーシックスタイル【2023年秋冬コレクション】

オートクチュールやパリ、ミラノコレクションの取材を続けているファッション・ディレクターの萩原輝美さんによる最新コレクションリポート。今回は、コレクションを先駆的な気候変動対策に特化したチャプター(章)として構成するという新しいアプローチを導入した「クロエ」について。第3章となる今回は、女性がリーダーシップを発揮する必要性に注目しています。

「クロエ」のクリエイティブ・ディレクター、ガブリエラ・ハーストは、自身のブランドでもいち早くSDGsを実践しているデザイナーですが、今シーズンの「クロエ」では女性のストーリーと社会貢献の必要性をファッションで表現しました。 

限りなく自由でクリーンなコレクションは、リサイクルナイロン、ウールガーゼ、レースにシアリングなどモノトーンの生地をシンプルなカッティングで見せました。 

スリップドレスに羽織る、ランダムにはぎ合わせたシアリングコートには、ロングブーツを合わせていますが、深いVのカッティングは今までにないセンシュアルなテイストです。

シアリングのジレやブルゾンにギャザーたっぷりのレザースカートを合わせた「クロエ」らしいリアルな着こなしも、アクセサリー次第で個性的に着ることができます。 

フォルムを重視したコクーンスリーブやパフスリーブのドレスも登場。これは17世紀のバロック画家アルテミシア・ジェンティレスキの作品からインスピレーションを得たそうです。

アルテミシアは女性の潜在的な可能性を主張したアーティストで、その作品を刺しゅうしたカラフルなドレスはプリミティブで力強い存在感です。コルセットをつけたレースニットドレスも、甘すぎず凜とした女性のエレガンスをアピールしました。 

photos: © Chloé / text: Terumi Hagiwara

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