ドラマ『この初恋はフィクションです』の坂東龍汰。出演作が目白押しの理由
2021.10.11
この秋から始まるテレビドラマには、これからブレイクしそうな若手俳優が多く登場します。なかでもとくに注目すべきイケメンについて、彼らの軌跡とともに過去の出演作から動画配信サービスやDVD等で見られる作品をご紹介していきます。今回スポットを当てるのは本日10月11日スタート『この恋はフィクションです』(毎週月曜~木曜 深夜0時40分~TBS系)に出演する坂東龍汰(ばんどうりょうた)さんです
2021.10.11
この秋から始まるテレビドラマには、これからブレイクしそうな若手俳優が多く登場します。なかでもとくに注目すべきイケメンについて、彼らの軌跡とともに過去の出演作から動画配信サービスやDVD等で見られる作品をご紹介していきます。今回スポットを当てるのは本日10月11日スタート『この恋はフィクションです』(毎週月曜~木曜 深夜0時40分~TBS系)に出演する坂東龍汰(ばんどうりょうた)さんです
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企画・原案は秋元康、脚本は『おっさんずラブ』シリーズ(テレビ朝日)や『私の家政夫ナギサさん』(TBS)など大ヒットドラマを手がけた徳尾浩司が担う青春群像ラブストーリー『この恋はフィクションです』。
女優発掘・育成プロジェクト「私が女優になる日_」の演技バトルで1位に輝いた飯沼愛がドラマ初出演にして初主演。月曜日〜木曜日の深夜枠で帯ドラマを放送するのはTBS初。さらにYouTubeで全話配信されるのも民放初の試み——と、初めてづくしの斬新な仕掛けが注目を集めている。
高校2年生の主人公・倉科泉(飯沼)のクラスに「とんでもないイケメンらしい」と噂の転校生がやってくることになった。ところが転校初日に転校生はなんと欠席。その後も彼は学校に姿を見せようとしない。そんな謎めいた転校生を、女子生徒たちが妄想で美化させてヒートアップする中、泉はふとしたきっかけで転校生とLINE交換するハメに。戸惑いながらクラスメイトに内緒でやりとりしていた泉だったが、だんだん転校生のことを意識するようになり——。胸キュンな展開を予感させるこの作品で、泉に密かな想いを寄せるクラスメイトの野島啓介を演じているのが坂東龍汰だ。
ここ最近の彼は、まさに引っ張りだこ。2021年の主だったドラマ出演だけでも、1月は『夢中さ、きみに。』(毎日放送)、4月は『今ここにある危機とぼくの好感度について』(NHK)、6月は『にぶんのいち夫婦』(テレビ東京)と続き、10月からは『この初恋はフィクションです』のほかにも、『真犯人フラグ』(日本テレビ)、『ソロモンの偽証』(WOWOW)と出演作が目白押し。しかも、どれも異なるキャラクターを巧みに表現していて、カメレオン俳優っぷりを見せている。
そんな坂東クンが、これまたガラリと違う役に挑んだのが2019年に公開された映画『閉鎖病棟−それぞれの朝−』だ。精神科医でもある作家・帚木蓬生による同名小説が原作となるこの映画は、妻と母親を殺して死刑判決を受けたものの、死刑執行が失敗したために生きながらえた男・秀丸が、処遇に困ったお上によって送られた精神病院が舞台。ここで暮らす、さまざまな事情で「生きづらさ」を抱えた人たちが、心を寄せて生きる姿を描いたヒューマンドラマである。
坂東クン扮するのは、言葉をうまく喋ることができないけれど写真を撮るのが好きな青年・昭八。カメラを介してしか人にアプローチできないことが物語の鍵となる人物を演じている。最初のうち、これが坂東クンだとわからなかった人もいるんじゃないだろうか。憑依したような迫真の演技で、昭八の純粋さ、やさしさ、哀しみを表していて、学園ものなどでキュンキュンさせる彼とはまるで別人。秀丸役の笑福亭鶴瓶や、幻聴のせいで社会や家族から弾き出されたチュウさん役の綾野剛、父親から暴力を受け居場所のない女子高生・由紀役の小松菜奈といった強者たちに囲まれてもまったく引けを取っていないのである。
坂東クンはイケメンだけで終わらない。『閉鎖病棟−それぞれの朝−』は、そんなことを強く感じさせる作品だ。
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香月友里
かづき ゆり。フリーライター。出版社の編集者を経てライターへ。同居する5匹の犬猫たちにお仕えしながら、映画とドラマと演劇とJ-POPにどっぷり浸る日々を送る
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