一流芸術家と次世代アーティストが集う壮大なイベント「ロレックス アート・フェスティバル」
2023.7.27

フェスティバル初日のガラパーティーに集まるメントーとプロトジェ
世界中の才能溢れる若手アーティストを支援する「ロレックス メントー&プロトジェ アート・イニシアチブ」。その創設から20周年を祝して「ロレックス アート・フェスティバル」が5月にギリシャ・アテネで開催され、これまでに参加した50組以上のメントーとプロトジェが一堂に集い、様々なパブリックイベントが繰り広げられた。
2023.7.27
フェスティバル初日のガラパーティーに集まるメントーとプロトジェ
世界中の才能溢れる若手アーティストを支援する「ロレックス メントー&プロトジェ アート・イニシアチブ」。その創設から20周年を祝して「ロレックス アート・フェスティバル」が5月にギリシャ・アテネで開催され、これまでに参加した50組以上のメントーとプロトジェが一堂に集い、様々なパブリックイベントが繰り広げられた。
世界的な腕時計ブランド「ロレックス」が2002年に創設したアートプログラム「ロレックス メントー&プロトジェ アート・イニシアチブ」をご存知だろうか? 舞踊、映画、文学、音楽、舞台芸術、視覚芸術、建築、オープンカテゴリーの8分野において、世界的にトップクラスのアーティストを各分野1人、メントー(指導者)として迎え入れ、そのメントーが指導したい才能溢れる若手アーティストを「ロレックス」が世界中からスカウト。最終的にメントーとの面接により1人のプロトジェ(生徒)に絞られ、一対一の指導による創造的なコラボレーションを作り上げるという画期的なプログラムなのだ。メントーは錚々たる面々で、例えば音楽ではブラジル音楽界の神と呼ばれるジルベルト・ジルや、建築では日本を代表する建築家「SANAA」の妹島和世、視覚芸術ではパフォーマンスとメディア・アートによる芸術表現の先駆者であるジョーン・ジョナスなど、誰もが一度は指導を受けてみたいと思う各界の著名アーティストばかりだ。
2年ごとに行われるこのプログラムでは、メントーとプロトジェは最短6週間を共に過ごすことが求められる(多くの場合はそれよりも多くの時間を過ごす)。次にどこでどのように交流したいかについての意見がまとめられ、共同でプロジェクトに取り組むこともある。プロトジェはメントーの仕事場への立ち入りが認められることもあり、プロジェクト遂行のための両者の渡航費などは全て「ロレックス」側が支援する。さらに素晴らしいのは、プロジェクト終了後も引き続きメントーとプロトジェが定期的に交流できる機会が与えられ、2年に一度世界各都市を巡回し開催されるイベントには、過去の参加者が全員招待されるという。創設以来、120カ国から1350人がこのプログラムに推薦され、現在までに63人のアーティストがメントーとなり、41カ国から63人の若手アーティストがプロトジェに選ばれた。このプログラムの最大の魅力は、その分野の巨匠と呼ばれるアーティストと長期にわたり一対一で交流する機会が与えられるだけでなく、分野をまたいだアーティスト同士の交流も積極的に行われる点だ。
ギリシャのアテネで5月26~28日に開催された今回の「ロレックス アート・フェスティバル」は、過去に発表されたプロトジェたちの作品が一堂に会する貴重な回顧展でもある。市内の様々な会場でパフォーマンスやコンサートが催され、3日間市民を巻き込む巨大なイベントと化した。さらに各分野の作品発表後には、メントーとプロトジェによるトークイベントも開催され、芸術教育、メントーシップの重要性など、国や世代を超えた様々な意見交換が行われた。
同プログラムの責任者レベッカ・アーヴィンは「ロレックスは従来のアーティストの慣行とされる一対一のメントーシップに注目し、次世代のアーティストを育てるために芸術分野の巨匠達と結び付けてきました。発足した時、まさか20年後にメントーと元弟子であるフェローたちがこのように世界をまたにかけた巨大なコミュニティを形成するとは予想だにしていませんでした。私達は芸術文化の最も偉大な発祥地であるアテネで、アーティスト達が作り上げた作品を一般の方々にお披露目する機会を得ることを誇りに思います」と語った。
「卓越性」を追求し続けることがブランドのあらゆる側面を支えているように、本アートプログラムにも、世界中の芸術や文化の「卓越性」を育み、長期にわたり継続的な若手アーティストへの支援を行うことをコミットメントとする「ロレックス」の強い意志が感じられる。
視覚芸術のメントー、キャリー・メイ・ウィームスの「人生は学び続けること。そしてメントーとの出会いは贈りもののようなもの。その可能性を見抜き、どこを活かすか見極め、背中を押してくれる存在。そんなメントーになれたら」という言葉が印象的だった。
【雑誌『marie claire』のPDFマガジンダウンロードページ】
©︎marie claire/photo: © ROLEX text: Keiko Suyama
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