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イヴ・サンローランのミューズ ベティ・カトルーにフォーカスした展覧会がスタート!

イヴとベティの運命的な出会い

『ヴォーグ オム』の編集長、オリヴィエ・ラランヌが綴った展覧会への寄稿文によると、1967年のある夜、ナイトクラブでイヴとベティは運命的に巡り合う。

「イヴの一目惚れだった。私の見た目にね。私は中性的で、性を超えた存在だった。私たち2人はとても痩せていて、青白く、プラチナブロンドの髪をしていた。少しアンドロジナスなところがあって、2人とも変わり者だった。確かに私たちはよく似ていた。彼は私にいろいろな褒め言葉をかけてくれて、すごくフレンドリーでおかしくて、性悪でイカしてると思ったわ。以来、私たちが離れることはなかった」

イヴはすぐにベティにモデルになってほしいと頼んだが、彼女の答えは「ノン」。あの伝説のタキシードを纏った女性たちが闊歩する「スモーキング」のコレクションを世に送り出し、モード界を席巻する天才デザイナーにとっては予想外の返事だったに違いない。

それでも気が合うイヴとベティは時間をともに過ごし、やがて彼女はサンローランのミューズとなる。ちょうどその時期、イヴ・サンローランは伝統的なブルジョア階級の客層から脱し、自分と同世代の女性たちを虜にする服を作りたいと考えていた。その魅了したい同世代の女性の中にベティもいた。

メンズライクなパンツスーツもベティの装いに欠かせない。1980年、パリの街角で撮られたショット ©All rights reserved

「男性の服を纏ったアンドロジナスな女性が、クラシックな女性性という伝統的なイメージを覆す」とイヴは語っている。20世紀を代表するファッションデザイナーへと上り詰めたイヴとベティの関係は、彼が2008年にこの世を去るまで続いた。

「イヴは自分が作った服を着てほしいと、次々と届けてくれて、私が好きなように自由に着させてくれた。スタイルはいたってシンプルよ。タキシード、パンツ、レザージャケット。色はすべて黒。ジュエリーもなし。マラケシュで彼と過ごしたとき、彼は一日中、デッサンを描いていて、夕食のときだけ集まるの。私は毎晩、ドラマティックな装いで登場するようにしていた。彼を喜ばせたくてね。イヴは私が彼のために働くことを決して望まなかった。それってすごく特別なことよ。彼は贅沢品としての私が好きだったの」

ヴァカレロが「彼女はまさにサンローランそのもの。魅惑的でミステリアス、不埒とも言える側面を持ち、捉えどころがないけれど、憧れる存在」と表現するベティは、今でも“サンローランの片割れ”として強いオーラを放っている。

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お問い合わせ先

サンローラン クライアントサービス tel: 0120-95-2746

展覧会情報
「BETTY CATROUX-YVES SAINT LAURENT 唯一無二の女性展」
開催期間: 2022年11月19日(土)~12月11日(日)閉館日なし
開場時間: 10:00~19:00 最終入場18:20
会場: 天王洲寺田倉庫 B&C HALL/E HALL
東京都品川区東品川2-1-3
入場料: 無料
詳細はこちらから

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