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天才子役から成熟した大人へ、無限の可能性を秘めたダコタ・ファニング

2001年にわずか7歳で映画デビューを果たしたダコタ・ファニング。同年に出演した『I am Sam アイ・アム・サム』では、父親役のショーン・ペンを相手に見事な演技を見せ、天才子役として一躍脚光を浴びる。妹で女優のエル・ファニングと同じく着実にキャリアを積み重ねるなか、20代最後の出演作に選んだのは『イコライザー THE FINAL』。主演を務めた名優デンゼル・ワシントンとの関係性や人気シリーズの裏側に迫る。

ダコタ・ファニング
photo: John Russo
hair: Jenda Alcorn
make-up: Erin Ayanian-Monroe
wardrobe: Samantha McMillen

幼くして数々の新人賞を総なめにし、史上最年少で全米映画俳優組合賞にノミネートされた記録を持つ女優ダコタ・ファニング。2005年のスティーヴン・スピルバーグ監督作『宇宙戦争』ではトム・クルーズと共演するなど、話題作には欠かせない“スター子役”として注目を集める。10代に入ると『トワイライト』シリーズで活躍し、その後は『オーシャンズ8』やクエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』といった大作でも存在感を放つ。

ダコタ・ファニング

天才子役から実力派女優として成長を遂げるなか、最新作『イコライザーTHE FINAL』では、物語のカギを握る謎のCIA捜査官役に挑んだ。本作は、通称「イコライザー」と呼ばれる世の悪を完全抹消する“闇の仕事請負人”をデンゼル・ワシントンが演じる人気アクションシリーズの最終章。今回は、デンゼルとダコタが19年ぶりの共演を果たしたことでも話題となった。

ダコタ・ファニング イコライザー THE FINAL
『イコライザー』シリーズで初登場となるCIAエージェント、エマ・コリンズをダコタ・ファニングが演じる

「デンゼルと共演した『マイ・ボディガード』は、私のキャリアにおいて大きな意味を持っている作品。まだ幼かったけれど、偉大な人たちとの仕事は決して忘れられないし、一生に一度あるかないかの素晴らしい経験だった。再び共演できるかわからないと思っていたから、『イコライザー THE FINAL』の話には飛びついてしまったわ」

さらに、デンゼルとダコタには、単なる共演者を超えた強い絆があると明かす。「私は彼の子どもたちとも友人なんだけど、娘の一人とは同じ高校にも通っていた仲で親友同士。それくらいデンゼルとも彼の家族とも、深い繋がりを感じているの。デンゼルと共演する機会を得られない人が多いなか、象徴的なシリーズで彼と2度も共演できて本当にうれしく思っているわ。デンゼルはパワフルであると同時にエモーショナルで、演じる役柄すべてに多くのものをもたらす俳優。だから、私は彼の大ファンなの」

ダコタ・ファニング イコライザー THE FINAL
撮影現場でも長い付き合いから生まれた自然体の演技で周囲を魅了したデンゼル・ワシントンとダコタ・ファニング

俳優の大先輩でもあるデンゼルとの現場は最高だったと振り返るが、息の合ったやりとりが実現したのは長年の付き合いがあったからこそ。

「私は幼いときにデンゼルと共演したので、彼の仕事のやり方も、つねに集中しなければいけないことも知っていた。なぜなら、彼は何を言い出すのかわからない人なので(笑)。予想外のことばかりして私たちを驚かせるから気が抜けなかったわ。大変さもあるけれど、脚本に書かれた台詞に縛り付けられていてはいけないと感じるし、そこが面白くてエキサイティングなの」

今回の映画は、アメリカを離れてイタリアを舞台に繰り広げられていることもあり、美しい景色も大きな見どころ。

「いままでとは違う場所で見せるというのは、物語や作品の世界観が大きく広がっていくからすごくいいアイデアだと思ったわ。それにアマルフィ海岸は、本当に美しい場所。長時間に及ぶ慌ただしい撮影でも、バケーションに来ているのか、仕事をしに来ているのかわからなくなったほどよ(笑)」

本作の撮影に入る数カ月前までテレビシリーズ「Ripley(原題)」のヒロイン役としてイタリアで撮影を行っていたダコタは、幼少期から卓越していた記憶力を駆使してイタリア語もある程度は理解できるまでになったという。作品ごとにさまざまな“武器”を身に付けていくダコタのさらなる活躍が期待されるなか、妹のエル・ファニングと本格的な共演は初となる映画『The Nightingale(原題)』も控えており、大きな反響を呼ぶことは間違いない。

現在は女優業だけでなく、姉妹で制作会社「ルウェレン・ピクチャーズ」を設立させたり、世界の子供たちを支援する「セーブ・ザ・チルドレン」のアーティスト・アンバサダーを務めたりと、いくつもの顔を持っているダコタ。すっかり大人の魅力を身にまとい、垣根を越えて才能を発揮する姿からはますます目が離せなくなりそうだ。

ダコタ・ファニング イコライザー THE FINAL
元CIAトップエージェントのロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)が、19秒で世の悪を完全抹消する[仕事]請負人(通称: イコライザー)として暗躍する姿をスタイリッシュに描いた『イコライザー』シリーズ。2014年公開の1作目、2018年の2作目に続き、ついにシリーズ最終章となる本作。シリーズで初の海外ロケを敢行し、舞台はイタリアへ。南イタリアの静かな田舎町で、マッコールはシリーズ史上、最も強大な悪と対峙することになる。

イコライザー THE FINAL』 
監督: アントワーン・フークア
出演: デンゼル・ワシントン、ダコタ・ファニング、デヴィッド・デンマン
公開: 全国の映画館で公開中
配給: ソニー・ピクチャーズ
https://www.equalizer.jp/

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