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サステナビリティと社会貢献に取り組む新生「クロエ」が目指す未来

ガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)クロエ クリエイティブ・ディレクター ウルグアイ出身。2003年にニューヨークに移住。15年に自らのブランドを立ち上げ、父親から受け継いだウルグアイの牧場で生産するウールやカシミアを使う。米国のファーストレディ、ジル・バイデンの衣装も担当する。20年12月、クロエのクリエイティブ・ディレクターに就任。photo: Michael Avedon

ガブリエラ・ハーストをクリエイティブ・ディレクターに迎え、新しい歴史の1ページを開いた「クロエ」。“デザインは控えめに、アクションは大胆に”をコンセプトに、より環境や社会貢献を意識したものづくりで、新時代のラグジュアリーを提唱する。

ダウンとポンチョを組み合わせた革新的なデザインの“パフチョ”は今季を象徴するアイテム。アウター¥510,400(クロエ/クロエ カスタマーリレーションズ)

創業者ギャビー・アギョンの生誕100年を迎える今年、「クロエ」は、より未来を見据えたサステナブルなブランドへと大きく舵を切った。その先頭に立ち、メゾンを新たな局面へと導いていくのが昨年末にクリエイティブ・ディレクターに就任したガブリエラ・ハーストだ。2015年に自らの名を冠したブランドを設立し、サステナビリティを強く意識したクリエーションで世界からも注目を集めていた。すでに環境に配慮したものづくりに着手していた「クロエ」にとって、ガブリエラの存在は頼もしいばかり。

ニットウェアに使用したカシミアはリサイクルされたもの。ドレス¥255,200 バッグ¥207,900 靴¥92,400(すべてクロエ/クロエ カスタマーリレーションズ)
最近絶滅した蝶々のモチーフをインターシャ編みで表現。昆虫の集団絶滅への疑問を投げかけた。トップス¥237,600 スカート¥768,900 靴¥214,500[参考価格](すべてクロエ/クロエ カスタマーリレーションズ)

彼女が「クロエ」で初めて手掛けた今秋冬コレクションでは、ポリエステルとビスコースの不使用や、再利用の繊維、オーガニックデニムを使用することで前年に比べて4倍ほどサステナブルに。シルクの50%以上は有機農場のもので、カシミアは80%以上がリサイクルのものを用いている。さらには、ジュエリーやバッグのメタルピースを単一のゴールドかシルバーに絞ることにより、メッキ工程で生じる環境へのインパクトも低減させた。

過去のコレクションのプリントとファブリックで作られたフード付きコートは寝袋やダッフルバッグにも変身!素材の再利用で作られたコートとリュックサックは、ホームレスの人々のサポートをする非営利団体「シェルタースーツ」とのパートナーシップによるもの。「これはクロエのミッションの一つです。ビジネスの目的と存在意義を組み合わせ、パンデミック後の世の中において、他人の苦難を理解し、それを和らげるような活動を行う。ラグジュアリーブランドにはその義務がある」とガブリエラ
リサイクルカシミアを採用したフラットミュール。シアリングのインソールは履き心地も抜群!ガブリエラのルーツ、南米を想起させるカラフルなボーダーもアクセント。靴¥92,400(クロエ/クロエ カスタマーリレーションズ)
「ムーンブーツ」とコラボレーションした新作“Chloé×Moon Boot”。生分解性の構造や素材、パーツでサステナビリティを高めたアイテム。靴¥92,400[参考価格](クロエ/クロエ カスタマーリレーションズ)

また、環境への配慮に加え、「クロエ」は社会的な活動も重要視している。今秋冬コレクションの20%は世界フェアトレード連盟加盟の団体が製作を担当。さらにホームレスの人々にシェルターを提供する活動を行う非営利団体ともパートナーシップを結ぶなど、ファッションを通した社会貢献にも積極的に取り組んでいる。

今秋冬のショーには過去に販売されたものを買い戻し、新たにカスタマイズしたバッグ“EDITH Collector”も登場。このバッグたちはオークションに出品され、売り上げは慈善団体に寄付される
リサイクルカシミアとレザーコンビのバッグも登場。バッグ[W49×H48×D16.5]¥315,700(クロエ/クロエ カスタマーリレーションズ)
ガブリエラが復活させたアイコンバッグ“EDITH”。なめし加工の工程が少ないバッファローレザーや、使う水の量が少ないリネンをライニングに使用し、サステナビリティを意識。バッグ[W45×H35×D21]¥254,100(クロエ/クロエ カスタマーリレーションズ)

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©︎marie claire/photo: Michael Avedon(portrait)/ text: Tomoko Kawakami

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