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TOMO KOIZUMIとK-BALLET TOKYOによる一夜限りのステージ『La Fête』をレポート!

©Yoshitomo Okuda

3月24日(日)、世界的バレエダンサーの熊川哲也が率いるK-BALLET TOKYOとTOMO KOIZUMIのデザイナー、小泉智貴がコラボレーションし、一夜限りの作品『La Fête』を披露。ファッションとデザインの祭典「TOKYO CREATIVE SALON 2024」のラストを締めくくるイベントとして開催された。

『La Fête』はK-BALLET TOKYO プリンシパルの堀内將平が振り付け・演出・構成を、レディー・ガガやサム・スミスの衣装を手がけてきた小泉智貴が衣裳・演出・ビジュアルディレクションを担当している。

©Yoshitomo Okuda

それぞれ全く異なる衣裳を身につけた7人のダンサーたちは入れ替わり立ち替わり、思い思いに舞っていく。タイトルの通り「喜び」をテーマにしたダンスは、まるで妖精たちが春の訪れを祝福するかのような、多幸感に溢れたものだった。

『La Fête』で目指したのは、バレエやファッションという枠組みを超えた「踊る衣裳」。TOMO KOIZUMIの持ち味といえば、ダイナミックな色使いや身体を拡張したようなドリーミーなシルエット。フリルを幾重にも重ねることで生み出すその造形は、軽やかに舞うことが要求されるバレエの衣裳としては少し重すぎる。そこで、アームカバーとしてフリルを部分的に取り入れたり、動きやすいように巻きスカート状にしたり、「踊る衣裳」にするための工夫が随所に施されていた。ダンサーの動きを追うように揺れるサテンのリボンも美しい。

©Yoshitomo Okuda

ダンサーたちが身につけたフリルはほとんどがヴィヴィッドカラーでできている。喜びと遊び心を色で表現したような、TOMO KOIZUMIらしいカラーリングだ。ライティングが変わるたびに妖艶に見えたり、コミカルに見えたり、色による視覚効果も演出の一つとして感じられた。

フリルはその重さゆえ、ダンサーが跳ねるたびに動きに合わせて、まるで生きているように揺れる。2人が重なり合うと、フリルとフリルが重なり新たなドレスが完成するようだった。

踊るための衣裳と、身体表現・演出への挑戦。バレエという総合芸術とファッションが出会った祝福すべき一夜は、幸福な笑顔と盛大な拍手で幕を閉じた。

text: Azu Satoh

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関連情報
  • La Fête
    振付・演出・構成:堀内將平
    衣裳・演出・ビジュアルディレクション:TOMO KOIZUMI

    キャスト(K-BALLET TOKYO):岩井優花/栗山廉/中井皓己/島村彩/布瀬川桃子/鈴木里佳子/井上慈英(K-BALLET ACADEMY

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