『アマンダと僕』6月22日(土)より、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開(c)2018 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA
<行定勲のシネマノート>第23回 『アマンダと僕』
2019.5.29 / marie claire
【5月50日 marie claire style】『アマンダと僕』は喪失を描く映画だ。大切なものを失うことは、一生を通じて誰もが経験することだ。それがあらかじめ知らされていれば、覚悟もできるだろう。しかし突然だと立ち直るのに時間が必要だ。3年前、私の故郷の熊本が大地震に遭い、尊い命や家屋、懐かしい風景を失った。その時は、手を差し伸べてくれる人々の優しさや善意に心を支えられた。そして、同じ喪失感に挫けそうになっている人同士が助け合う姿をたくさん目にした。失意の底に落ちている人の気持ちにいちばん寄り添えるのは同じ境遇の人間なのかもしれない。