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「シャネル」が提唱する総合的な美容の世界とは?

1910年、カンボン通りにブティックをスタートして以来、常に革新的なスタイルで女性の心と身体を開放し続けてきた創業デザイナー ガブリエル シャネル。男性社会だった当時のモード界で、服やアクセサリーだけに留まらず、女性デザイナーとしていち早くビューティ部門を創立した。彼女の先見性は、世界規模のラグジュアリーブランドに発展した今日に至るまで脈々と受け継がれている。

パンタンにあるシャネルの巨大なイノベーション研究開発センター
パンタンにあるシャネルの巨大なイノベーション研究開発センター

ガブリエル シャネルがスタートした「シャネル ビューティ」の歴史

「シャネル ビューティ」には既に約100年の歴史がある。1921年、「シャネル」初となる香水「N°5」が発表され、数字のみを使用したネーミング、ミニマルなフォルムのボトル、女性そのものを感じさせる調香で、当時の人々に衝撃を与えた。1924年にはフレグランスとビューティ製品の販売を担う会社をパリ郊外のパンタンに設立。当時、物流のために環状線沿いのパンタンの地が最も適していたことから、ラボラトリー工場が建設された。今日「シャネル ビューティ」の中核となるイノベーション研究開発センターがあるパンタンは、過去、現在、未来を繋ぐ架け橋として重要な役割を果たしている。

1927年には初となるスキンケアラインを発表。15のアイテムで構成されたスキンケアは、保湿クリームからミルククレンジング、メイク拭き取り用の布など、トータルスキンケアとして当時の女性たちの強い味方となった。日中クリームのボトル裏には、「私はこのクリームの純度を保証します。日中使用するために特別に処方されたこのクリームは、外気から肌を守り、ベルベットのようなテクスチャーを肌に与え、パウダーの理想的な下地となります」と、ガブリエル シャネル本人によるメッセージがサイン付きで書かれていた。

また、50年代には世界に先駆け、トラベルサイズのクリームやブロンザーオイルなどをいち早く誕生させ、生活習慣や時代ごとに変わりゆく女性の要望に合わせ、一歩先を行く製品を打ち出し続けた。そんなガブリエル シャネルの進化し続けるアヴァンギャルドな精神は、今日に至るまで新時代の女性たちの期待に寄り添う「シャネル」の物作りの真髄となっている。

シャネルの初期に発表されたスキンケアライン
シャネルの初期に発表されたスキンケアライン
シャネル スキンケア発表当初から丁寧に使い方を説明したカタログが作成されていた
スキンケア発表当初から丁寧に使い方を説明したカタログが作成されていた

「シャネル ビューティ」が持つ世界のネットワークと開発

現在、このパンタンのイノベーション研究開発センターを筆頭に、アメリカ、日本(千葉県船橋市)、韓国、中国本土に計5か所の研究所を設け、300人以上の研究者と職人が総合的で学術的な研究を共有し、強力なネットワークを作り上げている。植物学者、皮膚科学の研究者、統計学者、エンジニア、生物学者、色彩学者、そして農家や養蜂家などが、それぞれの知識と技術を生かし、相乗効果を発揮しながら新しい物作りに挑む。

更に10年前より女性の顔を含む情報を集め、現在、世界中の6万人以上からなるデーターベースを構築し、肌と加齢に関する独自の研究を進め、前例のない科学分野での展望が期待されている。また1993年には官能評価研究、最近では神経科学部門を組み込み、商品のテクスチャーの官能的な魅力、感情、使用する際に経験するウェルネスについての研究を行い、高性能でありながら官能的な処方をするための革新的なアプローチを行っている。

シャネル

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