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ロシア国外初、「モロゾフ・コレクション」展がパリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンで開催中

パリで話題の「モロゾフ・コレクション」展。好評につき4月3日まで会期が延長に。

パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンで開催されている「モロゾフ・コレクション」展に行ってきました。ロシアのテキスタイルで財を成したモロゾフ兄弟が収集した現代アートコレクションの国際展です。彼らのコレクションは1917年の革命後、国家所有となり現在はエルミタージュなどいくつかの美術館に分散して収蔵されています。

Vincent van Gogh, Seascape at Saintes-Maries, Saintes-Maries-de-la-Mer, 1888

 その中から厳選された傑作200点の作品が並びます。このコレクションがロシア国外で展示されることは初めてです。これはフォンダシオン ルイ・ヴィトンで2016〜17年に開かれて話題だった「シチューキン・コレクション」に続くコレクターシリーズの第2弾として実現しました。

Auguste Renoir, Portrait of the Actress Jeanne Samary, Paris, 1877
Claude Monet, Corner of the Garden at Montgeron, Montgeron, 1876

 マネ、マティス、セザンヌ、ボナール、ゴーギャン、ピカソ、ゴッホ、ロートレックなど19世紀後半から20世紀初頭の印象派の作品を中心としたコレクションは圧巻です。

Valentin Serov, Portrait of the Collector of Modern Russian and French Paintings, Ivan Abramovich Morozov, Moscow, 1910
Ilia Machkov, Self-Portrait and Portrait of Pyotr Konchalovsky, 1910

 フィンセント・ファン・ゴッホの絵画はプロヴァンスやオランダの美術館にも見に行きましたが、個別に展示されているゴッホ晩年の「囚人の巡歩」(1890)は初めて見た作品で衝撃を受けました。ゴッホが南仏の精神病院で描き、真ん中の囚人に自画像を重ねたと言われています。

Vincent van Gogh, The Prison Courtyard, Saint-Remy, 1890

 また、ポスト印象派のナビ派として活躍したピエール・ボナールの美しい大作も壁一面に飾られています。

 フォンダシオン ルイ・ヴィトンは2014年近現代アートの制作、支援のために創立されました。建築を担当したフランク・ゲーリーは「フランスの文化的使命を象徴する壮麗な船をパリに建造した」と言います。ブローニュの森に入り10分ほど歩くと木々の間からシルバーの壮大なモニュメントが現れ、中に入るとアートの世界に誘ってくれます。

© Iwan Baan  Fondation Louis Vuitton, 2014

「モロゾフ・コレクション」は好評につき会期が4月3日まで延長されました。

「モロゾフ・コレクション」展



会期: 2021年9月22日〜2022年4月3日
会場: フォンダシオン ルイ・ヴィトン
住所: 8, avenue du Mahatma Gandhi, Bois de Boulogne, 75116 Paris, France
電話番号: +33-1-40-69-96-00 
※開館時間はフィシャルサイトをご確認ください


text: Terumi Hagiwara


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