1月6日にソラマメを当てたら女王様になれる!【鹿島茂と猫のグリの「フランス舶来もの語り」】
2023.1.2
2023.1.2
[INDEX]
日本でも、イベント好きの大学生などが、このガレット・デ・ロワの遊びを取りいれようと、私にゲームの規則の翻訳を頼みにきたことがあった。
私が、「〈ソラマメ〉の当たった人は、その人が男性なら王様、女性なら女王様になって、パイ菓子の回りを囲んでいる銀の王冠をかぶり、その場にいる自分の意中の異性を女王様あるいは王様として指名できる権利を持つ」と訳してやると、その女学生は目を輝かせて帰っていった。果たして、その子がソラマメを引き当てることができたかどうか。
それはさておき、このガレット・デ・ロワ、焼き上がりが層をなすように、薄いパイ生地を幾重にも折りこむという、たいへん手間のかかる作業が必要なせいか、菓子パンとしては値段が高い部類に属するが、フランスのパン屋では、大きさを様々に変えてサイズ別に値段をつけて売っているので、小さいものなら案外安く買うことができる。中にカスタードクリームが入っているのでとてもおいしい。もちろん、公現祭以外の日にも売っている。
ただし、中に〈ソラマメ〉が入っているかは保証のかぎりではない。
【グリの追伸】あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
photos by Shigeru Kashima
【関連記事】フランスの元旦と「ヤドリギ」【鹿島茂と猫のグリの「フランス舶来もの語り」】
【関連記事】【ベルギー発】”当たり”を引いたら王様になれる!新年を祝うお菓子「ガレット・デ・ロワ」
【関連記事】フランスとアルゼンチンの意外な関係【鹿島茂と猫のグリの「フランス舶来もの語り」】
Profile
鹿島茂
かしましげる 1949年横浜生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。専門は19世紀フランスの社会生活と文学。1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年『職業別パリ案内』で読売文学賞、04年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。書評アーカイブWEBサイト「ALL REVIEWS」を主宰
リンクを
コピーしました