人気スタイリストFUKAMIちゃん、夢を掴むまでの道のりとハッピーオーラの秘密!
2022.6.1
数多くの女優、モデル、タレントを担当する人気スタイリストの「FUKAMI(深海)ちゃん」。 1万人以上の観客を動員し、若い女性を中心に圧倒的な人気を得ているファッションの祭典「東京ガールズコレクション」ではディレクションを担当。また、自身のファッションブランド「ウィークエンド」の立ち上げ、さらに初の著書も出版されるなど、活躍の場を広げています。そんなFUKAMIちゃんの連載「ごきげんよう!スタイリストFUKAMIの幸せの見つけ方」がスタート!
この連載では、FUKAMIちゃんのお気に入りアイテムや、仕事のウラ話、簡単にできるおしゃれコーデなどをお届けします。今回は連載スタートにあたり、FUKAMIちゃんにインタビューした“特別編”。ハッピーオーラ全開の彼の知られざる過去から現在に至るまでを、たっぷりと紹介します。
リビングには奈良美智氏のアートブックやハイブランドの写真集、海外の書籍がズラリ(すべて本人私物)/ photo:Taku Yaginuma
祖父母が育ててくれた幼少期
──FUKAMIちゃんの子どもの頃について教えて?
母が19歳の時、私たち双子が生まれました。兄がHIROMI(広海)です。
そして、私たちが5ヶ月の頃に母が蒸発したんです。
そこからは、母方の祖父母に育てられました。祖父母は60歳を過ぎていたので、今思えば一からの子育ては本当に大変だったと思います。
4つ上に兄がいるので、祖父母は男3人を育ててくれました。
もう2人とも亡くなっていますが、心から感謝しています。
──両親に会ったことは?
父には会ったことがありますが、母には会ったことがないです。
HIROMIちゃんは会いたいと思っていると思うけど私は、正直寂しい気持ちもないし、会ってみたいという気持ちもないんです。
「家族ってこうであるべき」というバイアスがあるじゃない?
それが本当に好きじゃない。
例えば、お盆のお墓参りや年末年始の帰省とか。
一斉にみんなで同じことをするのがあまり好きじゃなくて。「自分が好きな時にお墓参りして、好きな時に帰省すればいいじゃん」というマインドなんですよね。
だから今、両親に会いたいか?と聞かれたら答えは、どちらでもいいです。
会ってもいいし、会わなくてもいいです。
朝6時から図書館で本を読みふけった日々
──祖父母との暮らしはどうだった?
すごく貧乏だった。
そのことでいじめられました。
でも、いじめられて良かったこともあります。
毎朝5:30に起きて、学校が開く6:00に図書室にHIROMIちゃんと駆け込むんです。
貧乏で食事もままならなかったのを見兼ねた学校の守衛さんが、前の日の給食の残りのパンをくれて、それをかじりながらずっと図書館で本を読んでたの。
不幸だと感じたことは無かったけれど本当に貧乏だったから、唯一本を読むことで現実逃避ができた。
私たちにとって読書が最大の娯楽だったの。
今となれば、この経験はすごく良かったなと思っています。
周りの子たちが、当たり前のように塾に通ったり、ゲームをしている時に読書三昧だったから、たくさんの言葉を知れたし、いろんな文化に触れることができました。
それが、今の私たちのクリエイションや考え方、コミュニケーションの取り方にいい影響を与えているのかもしれないです。
そして、すごく空気を読む子どもでしたね。
理由は、祖父母が高齢だから年齢的にも体力的にも弱い立場じゃない?だから、「これを言ったら傷つくな」という想像ができたの。子どもながらに周りの人が何を思っているかを察していました。
「貧乏が嫌だ」と祖父母に言っても貧乏な生活は変えられないし、言われたことを悲しむだろうなって思っていたから、自然と、人を悲しませたり傷つけたりすることは言わないようになっていました。
──自身のジェンダーについて、自覚したのはいつ?
「性の自認」という感じはなかった。
だけど、自分たちがゲイであることは中学生ぐらいに気が付きました。
私たち双子って一心同体で、相手の状況もわかっちゃうからHIROMIちゃんにカミングアウトしてないけれど、お互いに絶対にゲイだって分かってた(笑)。
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