将棋に生きる男の光と闇を描いた映画『盤上の向日葵』が公開。主演・坂口健太郎が語る、“天才棋士”としての孤独と祈り
2025.10.29
2025.10.29
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──農園で働き始めた桂介は、同じ農園の娘・宮田奈津子(土屋太鳳)と婚約。平穏な幸せが訪れたのも束の間、父親と東明が近寄ってきます。彼らとの確執をフィアンセに打ち明ける選択肢を持っていたら、桂介はもう少し生きやすかったのではないかと、考えずにはいられませんでした。
もうね、本当にそう。そんなにしんどいチョイスをしなくていいじゃん! と、幾度思ったことか(笑)。ただ、何でも抱え込んでしまう彼の心理は理解できます。小さい頃に胸の内を話す機会を閉ざされてきたから、息をするように感情に蓋をしてしまうんですよね。それが故に厄介なできごとに巻き込まれる。どんどん深みに嵌(はま)ってしまうんだけれど、どうしようもないんですよ。将棋は生きる支えでありながら、東明と絡むと絶望にもなりうる。そんな人から離れられないのも、桂介の受け入れてしまう性質が如実に反映されていると思います。

──すべてを内に秘めてしまう役どころは、しばらく引きずられそうです。
それはないんですよ。僕はどの役でも本番が終わった瞬間に切り替えられるタイプです。現場でもカメラが回るギリギリまで共演者の方やスタッフさんと喋(しゃべ)っています。腕相撲をする時って、合図が入るまでは力を抜いてますよね? 「レディーゴー!」の一声があったら、全力を出して挑む。その感覚に近いのかもしれません。

──オンとオフを上手に切り替えられるのですね。ちなみに本編で「向日葵」は桂介にとって母親との思い出につながる大切な花でした。坂口さんの好きな花は?
え!? 僕はあんまり詳しくないんだよなぁ……。花を知らなそうじゃないですか(笑)? なんだろう……。あ! スミレですね。ささやかながらも可憐(かれん)に咲く姿に目がいきます。ただ、部屋には飾らないようにしています。毎日、花瓶の水を交換する自信がないので。いま、飾ってあるのはサボテンくらいです。

──リフレッシュの瞬間は?
友人やスタッフさんと食事をする時間です。他愛もない話をして過ごすひとときが楽しい。撮影中はどうしてもギアがひとつ上がった状態なので、通常モードに戻すためにも、ごはんを食べに行くのは重要。あとは、帰宅してからの一杯にも癒やされています。

photo: Tomoko Hagimoto text: Mako Matsuoka
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映画『盤上の向日葵』
出演:坂口健太郎、渡辺謙、佐々木蔵之介、土屋太鳳、高杉真宙、音尾琢真、柄本明、渡辺いっけい、尾上右近、木村多江、小日向文世
監督・脚本:熊澤尚人
原作:柚月裕子「盤上の向日葵」(中央公論新社)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/松竹
©2025映画「盤上の向日葵」製作委員会
予告編映像 公式YouTube
https://youtu.be/gTQ5tSHHhcI
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